1948年のイタリア映画である。
「アラン」ほどではないが、ずいぶんと古い映画である。
この映画、知る人は知るのだが、私が子供の頃お昼の3時ごろから、テレビで洋画をやっていた。
それは1週間、毎日同じ映画をやっていたのだが、最初に見たのはそんな子供時代だと思う。
たぶん、何も感じなかったと思う。
それから、多分「淀川長治」がやっていた時代の「日曜洋画劇場」で、観たように思う。
名作と言われる割には、ストーリーはほとんど覚えていない。
「ネオリアリズム」と言われる時代の代表作とされているらしく、「新・現実主義」と言われるだけあって、当時の人々の貧しさをリアルに描いたものだと思う。
主人公は、長い失業の末にやっとポスター貼りの仕事を得、質屋に預けてあった自転車を引き出した。
その自転車に乗り、ポスター貼りの仕事を始めた初日に、仕事中にその自転車を盗まれた。
彼にはかわいらしい息子がいて、仲間と手分けして、盗まれた自転車を探し始めるが、容疑者らしきものを見つけても証拠がない、
しかし、自転車がないと、仕事が続けられない・・・・
1946年のイギリス映画らしい・・・
先ほどの「自転車泥棒」は1948年のイタリア映画だから、モノクロだが、こちらはそれよりも2年も前なのに「カラー」である。
先日「赤い靴」と言う映画の話で、もともとカラーで撮られたものだったと話したが、この作品と、同じ年の作品だから、やはり間違いないのだろう・・・・
当時は「テクニカラー」と呼ばれる技術が使われていた様で、今と違いカラーフィルムで撮るわけではなく、1つの画面を3原色の分解フィルターを使って、3本のモノクロフィルムにそれぞれ記録して、それを映写用に「ダイトランスファ」と呼ばれる方法で、カラー映写用の「ポジ」フイルムを作っていたらしい・・・
で、なぜこんな古い作品を見たのか?
実はこの作品、尼さんが主人公である。
鈴木秀子の本の中に、3本のキリスト教関係の作品が紹介されていて、「ブラザーサン・シスタームーン」「親分はイエス様」そしてヘップバーンの「尼僧物語」なのだが、親分はイエス様は、先日YouTubeで見た。
残りをαビデオで検索したが出てこない。
ただ、この作品も尼さんが主人公で、作品の見本写真には、ヘップバーン並みの美しい尼僧の姿が有った。
それは「デボラ・カー」らしいのだが、ストーリーは最初はインドの修道院が出てきて、老修道院長がヒマラヤ山麓の村で尼僧院を開くから、その若き尼僧が責任者に任命された。
この映画も私の好きなもののひとつである。
この映画はたぶん2度ほど見たとは思うが、一度目はたぶんレンタルビデオかな?
2度目はテレビだと思うが、今回はαビデオには2種類あったので、それならと長いものを見た。
「完全オリジナル版」となっているが、170分の長編である。
3時間近いものだが、しかし当時はそんな長いものを見なかったと思う、多分短くカットされているようだろう・・・・
そう思いながら見たのだが、確かに何か私の知っているものとストーリーが違うように感じ、昔見たものはどんなものだったと思い、ついでに短い方も続けて観てみた。
短い方は123分にカットされているから、1/3近くがカットされていることになる。
2005年の邦画である。
これも音楽映画と言えば、言えなくはないが・・・・
どちらかというと、「奇蹟」と題の中に在るように、ちょっとした奇蹟をテーマにしている。
将来を約束されたピアニストが、コンサート会場での発砲事件に巻き込まれ、指を負傷し弾けなくなった。
その発砲事件で両親を殺され、残されたサヴァン症候群の少女を引き取る。
この「サブァン症候群」と言う言葉は聞きなれなかったが、知能障害があっても、ある特定の分野に対しては優れた能力を持つ人々らしい・・・・
有名なのは。「裸の大将」である。
2012年の邦画だが、これも音楽映画の部類に入ると思う。
過疎化が進む能登の漁村が舞台であるが、その村にはアマチュアオーケストラがある。
その指揮者の老人が、コンクールを前に急死する。
その指揮者は孫が天才的な指揮者だと言い残す。
それを信じ、メンバーの代表は、その孫娘の冬休みを利用して指揮を依頼する。
ところが、その代表が彼女を迎えに行くと、茶髪のヤンキーだった・・・・
なのに、その孫娘は、村に着くころにはおとなしい女子高生に変身していた。
猫をかぶり、良き指揮者ぶりを演じるのだが、実は彼女は確かに指揮はできるが、高校のブラスバンドの指揮者だった。
すぐにばれて、彼女は帰ろうとすると、メンバーの一人の老人が「いい耳をしている」と、代表に話し、孫娘は再びそのオーケストラの指揮を任される。