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荒川静香と「間」

昨日、久しぶりに家でテレビを見た。

たまたま夕方からNHKでスケートをやっていた。
エキシビションなのだが、一流のスケーターが出ていたのだが、私は彼女がオリンピックで金メダルを取った時は、さすがに魅了されたが、その後あまり彼女の滑りも、最近のスケートもあまり見ることが無かった。

ところがたまたま昨夜、他に見るものも無く見ていたのだが、他の選手は確かにうまく滑っているが、彼女の滑りを見て、「あっ・・・さすが・・・格が違う」と思ってしまった。

これは解る人にしかわからない話なのだが、私は若い頃に舞台写真をライフワークとして撮っていた。

舞台と言っても、演劇ではなく、踊りなのだが、ただ記録として撮っていたわけではなく、私には一つのテーマがあった。

それは「人間の体が創る、フォルムの美しさ」なのだが、踊りのジャンルを超えてそれを撮っていたのだが、私自身は踊ることはできないが、撮っていると判るのだが、舞台活動には特殊な「間」と言うものがある。

「間」とは音楽にしろ、踊りにしろ、次の動きに映るまでの一瞬、時が停まったように間が開くことがある。

これが荒川静香のスケートには有った。
ある意味「溜め」とも思うのだが、たとえば腕を伸ばす動作が終われば、当然逆に腕を縮めなければならない。
その動きの中に、自然な流れ、スムーズな流れ以外に、一瞬スピードを落とし、その勢いをつけて次の瞬間からスピードが上がる。

そんな動きの中に、踊りには「独特の美」があるのだが、彼女の動きにはそれがあったが、他の一流のスケーターにはだれもそれを感じられなかった。

(資)文化財復元センター おおくま

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