以前から有料の配信サイトで映画を見ているのだが、今まで見た居たd-TV も Huluも、見たい映画はほとんど見尽くしてしまった。
そこに他のサイトを探していたのだが、その一つ U-NEXTで、邦画をいくつか見たいものを見つけた。
そして今朝から続けてみていたのだが、その4本目に日中合作の映画をリストアップした。
この映画、1980年代の中国の農村が舞台なのだが、最初のタイトル部分にほとんど日中合作を示す表示が無かった。
脚本はあの「初恋の来た道」の脚本家が実話をもとに執筆したものと言う。
村でも貧乏な足の悪い夫と、知的障害のある嫁との間にまだ子供ができないのに、その知的障害のある嫁は子供を欲しくて仕方がない。
そこに女の子の捨て子があり、嫁はそれを連れ帰り片時も離さず愛情を注ぐ。
中国では子供は一家に一人と決められているので、女子が生まれると捨てられたようで、最初その夫も自分の実子が欲しいし、男の子が働き手としてほしいので、嫁さんが昼寝をしている間に、子供の無い夫婦に引き渡してしまう。
ところが目覚めたその嫁は、必死にその夫婦の乗る車を追いかけ、遠く離れた町まで探しに来る。
何日も何日もその知的障害を持つ嫁は、連れ去られた子供を探し回り、とうとう間違えて別の夫婦の子供を連れ去る。
捕まえられ、殴られる寸前にその夫に助けられるが、あまりに嫁が子供を諦めないので、結局夫はまたその子供を引き取り、育てることにする。
それから知的障害は有っても、わが子以上に愛情を注ぐ母親に守られ、5歳に育つが、その頃子供は友達が「のろま」と自分の母親を呼ぶことに気が付き、その言葉の意味を父親に聞く。
父親は「お前が今ここにいるのは、優しい母さんのおかげだよ」と言うのだが、娘にはその意味が理解できなかった。
やがて娘は小学校に入り、優秀であるが、時々母親が娘を心配し学校に顔を出す。
また同級生から母親を「のろま」と呼ばれ、自分の宿題のノートにも母親が落書きをして、先生から怒られる。
すると娘はそんな母親が疎ましく思うようになり、学校に来ないように家のドアに鍵をかけて学校へ行く。
ところが昼から土砂降りの雨が降り出すと、そんな閉じ込められている母親は、窓から傘を持ち飛び降り、はだしで学校に娘を迎えに来る。
その姿を娘は目にし、母親の深い愛情に気が付く。
その夜、娘は熱を出すが、両親に荷車に載せられ、病院へ着く。
娘は母親の深い愛情にきづいてからは、また幸せな母娘となるのだが・・・・
ある日母親は娘のためにさくらんぼを取に行ったまま戻らない。
数日間経ったある日、川の近くで母親の遺留品が発見されるが、すぐそばにはさくらんぼの木が有った。
母親は結局そのまま戻らず、遺体も発見されないまま、月日が流れ、その娘は医大へ進む。
その頃になって、初めて娘は父親が言った「お前が今ここにいるのは、優しい母さんのおかげだよ」と言う言葉の意味を理解する。
「初恋の来た道」も秀作であるが、この映画、はるかにそれを超える名作で、例え知的障害でさらに腹を痛めた実子でなくても、母親となったものの我が子にそそぐ愛情の深さをとてもよく表現されており、何度も何度も涙がこみ上げてきた。
またこ知的障害を持つ母親役を、役者は実に見事に演じきっている事にも、とても感動した。
この映画オフィシャルサイトがある様である。
http://www.sakuranbo-movie.com/
(資)文化財復元センター おおくま