別れの紙テープ
最近また暇つぶしに配給動画を見ている。
別に暇つぶししたいわけではないが、また「じっと待て・・・」と言われている様子。
そこでdビデオはほとんど見たので、Huluに会費を払いまた見始めた。
その中で1970年の邦画で「故郷」というのを見た。
瀬戸内の小島で石船と呼ばれる、石を運搬する小舟で生計を立てる夫婦の物語だが、女房役に倍賞千恵子、旦那役は顔は知っているが名前は知らない・・・
そして脇役に渥美清も出ていたのだが、石船を廃業し、島を出る夫婦を見送る場面が最後にあるのだが、島に残る渥美清が見送りの島の人々に「紙テープ」を配る。
それを夫婦に握らせ、小舟は夫婦を載せ、島を離れる・・・・
よく大型船で紙テープで別れを惜しむ姿が映画であるが、それとは一味違い、本当の「情」というものをそこには感じた。
現在では紙テープは環境によくないとされ、見ることのない風景だが、これもまた「目に見える世界」イコール「現実世界」と思っている人々のいうことで、実は「物質」など存在せず、究極は「波動」だと言われる。
同じく人の「おもい」も波動だと言われる。
だけど人はそれを目で見ることができないから「情」など存在しないと思う。
でも悲しいかな、物質は朽ち果てても、そこに込められて「人の思い」は永遠に朽ちることが無い。
それが文化財の本当の価値であり、また別れを惜しむ「おもい」も実は紙テープなど朽ちて亡くなったところで、決して消えることなく「永遠」に存在するものだけど、生憎それも人間には理解できないものと思われる。
(資)文化財復元センター おおくま