2010年のフランスの作品らしい・・・
前回の作品は反ナチ運動の実話であったが、こちらは2006年に発表された小説を元にした作品らしい・・・
時代はやはり第二次大戦下のパリ。
ヒットラーのユダヤ人虐殺は有名であるが、フランスでも同じようにユダヤ人の強制収容があり、多くのユダヤ人が死亡しているらしい。
パリのアパートにすむユダヤ人家族が収容されたとき、子供は小さい姉と弟がいたが、姉はとっさに弟をタンスに隠し、弟に迎えに来るから待っているようにと促し、鍵をかけた。
しかしその家族は家に帰ることはできなかったが、弟を心配する幼い姉は強制収容所を脱出し、フランス人夫妻に匿われる。
その幼い姉の名は「サラ」。 サラとその夫妻は急いでその家族が住んでいたアパートへ向かうが、すでにそこには別の家族が住んでいた。
そしてサラは弟を隠したタンスの鍵を開けた時には、すでに弟はみじめな姿と化していた。
サラは最初に保護した夫妻に引き取られ、また弟の遺体もその夫婦が引き取り、あとからそのアパートに越してきた家族にも息子がいた。 父と息子はその一部始終を見ていたが、母親は外出中で知らなかったという。
そのまま時代は現代に移り、その当時小さかった息子の家族がそのアパートを所有していたが、その息子と結婚したアメリカ人のジャーナリストである奥さんは、ユダヤ人街にあるそのアパートの過去を調べ始める。
その結果、サラの消息を調べだし、サラはすでに死亡していたが、そのまた息子を訪ねる。
しかし、息子は母がユダヤ人であることすら知らずに、そのジャーナリストを追い払う。
実はそのジャーナリストにも娘がいるが、もう一人子供を妊娠する。
ところが夫は中絶を促す。
そのジャーナリストの奥さんは、そのアパートの前の住人である「サラ」が心の傷を負ったまま、フランスからアメリカにわたり、アメリカ男性と結婚したが、夫はサラの美しさの裏にある「心の闇」を察知する。
そのジャーナリストである奥さんは、サラのことを調べながらもどうしても子供を産みたいと決心する。
それからまた2年後、サラの息子は父親から母親の過去を知らされ、ジャーナリストに謝るのだが・・・・・
その時、パリのジャーナリストは夫と別居し、アメリカで暮らしていた。
サラの息子と再会した時、サラの息子は、そのジャーナリストのあの時身ごもり、2歳になる娘の名前を訪ねる。
すると、ジャーナリストである奥さんは、娘の名前を「サラ」となずけていた。
それを知ったたサラの息子は、号泣する・・・・
あるfacebookの「友達」は、自分はあることで苦労したが、その苦しみは経験したものでないと判らないと、悲劇の主人公を自称する。
しかし、言っちゃ悪いけど、彼の苦労なんて、苦労のうちに入らないとこの話を聞けば思えてしまう。