表・現状画像 | 表・復元画像 |
裏・現状画像 | 裏・復元画像 |
古い写真はすでに変色していたり、傷が入っているものが多い。
家族の思い出の写真をきれいにしたいという人は多い。
ネットで検索すれば、たぶんこの手のサービスをしているところも多いと思う。
また最近はフォトショップの機能も随分向上して、簡単に傷などは消せるようになった。
とは言え、実はその機能は万能ではない。
なかなか自分の思うようには仕上がらないし、街の写真屋などが受け付けている「写真の修整」などの安価なサービスは、傷の部分を「スタンプ」といわれる機能で修正する。
スタンプとは、傷のある部分を、傷のない部分を「コピー」してそれを傷の上に貼り付け、「一見きれい」に修正する。
ところが、そんな簡単な傷ばかりではなく、とても細かい情報を、同じような部分を置き換えようにも、置き換える情報が画面内にない場合がある。
「集合写真」などは割とそういう状態が多い。
だから、そういう安価なサービスでは「これは修正できません」と言って断るか、あるいは無茶な仕上がりとなる。
しかしながら、その手の写真もきれいに復元できる場合がある。
このやり方は、その元の写真をとても大きなデーターとして取り込み、その画像の「1ドット単位で、修正」していく。
ここではっきりとさせておかなければならないのは、一般的な写真屋で安価に受け付けているのは「写真の修整」という作業であり、当社が受け付けているのは「写真の復元」という作業である。
ではこの差は何か?
私が最初に文化財を画像として復元した時、実は私自身も「復元」という言葉を知らなかった。
もともと、「葬儀用の遺影」の合成をしていた関係で、この仕事を思いついたのだが、コンピューターを使っての「合成」は、アナログよりもきれいに仕上がる。
つまり、剥げたり、黒ずんだりした文化財を「画像」として取り込み、それを「修正・合成」することで、きれいに仕上がった。
ところが、それは「当時の姿」と同じかというと、実は違う。
ただ、「見た目はきれい」に修正したに過ぎない。
どういうことかというと、傷の部分をきれいな部分の情報で「置き換え」ていることになる。
つまり、情報が入れ替わってしまえば、それは「当時の姿」とは言えないことになる。
実はスタンプを使ってキレにい仕上げるのは「修正」であって、「復元」ではない。
この違いはとても大きい。
この考え方を使って、当社では古い写真を「復元」するのであって、「修正」するものではない。
だから手間がかかるから、たぶん個人の感覚からすれば高いと考えられるかもしれない。
しかし、パソコンは「道具」に過ぎなく、この作業には「技」を必要とし、「手作業」で「手間」をかけるからこそ、「元の姿」を復元できる。
この写真も随分と手間をかけたからこそ、ここまで復元できているが、しかしながら中央部分に横に走った傷の部分は、すでに元の情報が失われているので、残念ながらその部分は復元できなかった。
--
*****************************************
(資)文化財復元センター
代表 大隈 剛由
〒619-0237
京都府相楽郡精華町光台1丁目7
けいはんなプラザ ラボ棟9階
T E L 050-1058-8025
F A X 0774-39-7091
Eメールアドレス oukuma@fukugen.info
U R L http://www.fukugen.info/
****************************************