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「人生の急所を誤まるな!」渋沢栄一・著
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この本は『「孔子・人間、どこまで大きくなれるか?」渋沢栄一・著』を注文した後に、追加で注文した。
 
 
 
 前書が論語の言葉を引用しながら、自分の経験を踏まえ、人生訓を語ったものであるが、こちらは逆に自分の人生の中で得た教訓を中心に、孔子らの教えも踏まえて書かれているように思う。
 
この著は明治四十五年に書かれたものらしいが、まったく時代遅れで古臭いと感じることなく、現在でも通用する話が多い。
 
 
先日も話したが、マッカーサーの政策で日本人がふがいなくなったと言われるが、渋沢にとってはすでにこの時代に青年たちのふがいなさを嘆いている。
 
渋沢栄一は産業界で多くの実績を残した人であるが、しかし当人は「」に対しては「淡泊」な人らしく、自分の富のために産業界に身を投じたのではなく、「公共」の発展のためにも官界から民間に下った、実に立派な人の様である。
 
 
 
先日同じ孔子や中国古典の本を書きながら、他人の悪口を著書に載せたり、手前味噌の自慢話を平気でしたり、自分の富の一部を社会貢献に使っていると、自画自賛する某氏と違い、先ずそれ以前に自分に回るべき「」を受け取らない心意気が、まさに「君子」と呼ぶにふさわしい人だと思う。
 

 
その某氏にしろ、ビルゲイツにしろ、必要以上に自分に富を集め、その一部を社会貢献に回すくらいなら、それ以前に、その分を受け取らなければ、もっと広く社会貢献になると私は思う。
 
この本には武士道と産業界の経営者とは、本来相入れるものだと語っていて、私自身もどちらかと言うと「」に対して「汚いもの」として、若いころから忌み嫌ってきたから、引き寄せの法則などでもいわれるように、嫌っているものが自分の元に集まるはずもない。
 
それに対して渋沢栄一の「清い金」という考え方は、わたしにも価値観を変えるきっかけとなるものである。
 
(資)文化財復元センター  おおくま
 
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