「易の話・易経と中国人の思考」 金谷 治・著
この本も古本で買ったものだが、過去200冊以上古本を買っているが、ここまでひどい書き込みを見たことがない。
鉛筆で100P以上にわたり、びっしりと線引きや読み仮名を書き加えられていた。
しかし、本屋の説明には一切そんな事が書かれておらず、Amazonを通じてクレームを入れたら、「返品」扱いになり、本はそのままで金だけ返してくれた。
肝心な中身なのだが、この本も64卦の卦辞と爻辞(こうじ)を移し取るつもりで買ったのだが、どうも中身が違う。
つまり「易」というモノが、いつ、どういういきさつでできたのか?ということくらいは、どの本にも書かれているが、この本はどうも「易」の成り立ちから現在に至るまでの変遷や周りのことを掘り下げて書かれている。
最後は「中国人の思考」とは書かれているが、しかし心に残るモノもなく、「現在の中国」と言う国の民族と、この易を作った民族がとてもおんなじ民族とは思えない・・・
この本、元本が1972年に書かれたモノらしく、現在の中国の有様など関係ない「学者」の本だとしか思えない。
またもう一つ、心に残らない理由の一つが「何故、易は当るか?」と言う事には一切触れていない・・・
つまり、ユングの「共時性」の話もないし、「神」の話も出てこない。
ただ学者だから「学術的」に「易」について研究している人なのだろうと思う。
私が知りたいことは、結局この本からは何も得られなかった・・・
(資)文化財復元センター おおくま