2007年の邦画である。
京都の50年以上続いた映画館を守ってきた、一人の女と二人の男、そして子供のころにそこによく遊びに行っていた一組の夫婦の物語。
そのオリオン座が閉館することになり、昔なじみの客に閉館興業のお知らせが届くところから、物語は始まる。
いうなれば、「ニュー・シネマ・パラダイス」の日本版という感じなのだが、その「ニュー・シネマ・パラダイス」も2つのバリエーションがあり、短いほうはトト少年のかわいらしさが中心だが、長いほうのバージョンは、そのトト少年が大人になり、恋愛をし、その話がメインとなっている。
こちらの物語はどちらかというと、長いほうのバージョンと似ていて、このオリオン座を始めた夫婦と、そこに下住として住み込んだ青年を中心として、話は進む。
その映画館の創始者であり、技師でもある亭主役を宇崎竜童が演じている。
ご存知のように、ダウンタウン・ブギブキバンドのリーダーだったが、実は彼らがまだドサ周りをしていた頃、「京大西部講堂」での大晦日年越しライブに出演していた。
当時私の友達がそのイベントの裏方をしていたので、そのライブを撮っていたのだが、サングラスをかけガラの悪いつなぎを着た連中が、演奏を始めた・・・・
その宇崎の横顔を撮った覚えがある。
彼も多彩な男で、曲も作れば役者もする。
その女房役を宮沢りえが演じているが、彼女は現在41歳らしいが、味のある、そして色気のある女優となっているが、彼女が18歳だったかな?
当時「サンタフェ」というヘアーヌード写真集を出したことを、我々の年代の男は皆知っているはずだが、私も写真をやっている関係で、いまだに手元に残っている。
当時や、その後の婚約発表のころには、まさか今のようないい女として生き残っているとは思えなかったが、しかしこの映画では、宇崎演じる亭主が病死した 後、弟子入りしていた青年と二人で50年以上、その小さな映画館を守り抜き、そして不治の病で治らないことが判ったとき、当時の青年は2番目の館長であ り、宮沢りえの再婚相手を演じるのが原田芳雄だが、オリオン座の廃館を決めた。
なかなか、見ていていい映画だと思ったが、ただその下住で入った青年の若いころを加瀬亮という役者が演じているのだが、しかし最初は17歳の時から始まるのに、あまりにも歳と釣り合わない雰囲気であり、ちょっとこれだけがマイナス要素と思える。
いずれにしろ、この作品、ぜひ見てもらいたい秀作だと思う。