難しい題名の映画である。
1999年の邦画であるが、出演者ほとんどの役者が現在も大御所として活躍しており、その若かりし頃の姿を見ることができた。
さて、日本の「刑法第39条」とは心神喪失者を責任無能力として処罰せず、また、心神耗弱者を限定責任能力としてその刑を減軽することを定めている。(詳細は責任能力を参照のこと)
と、なっており、Wikipediaによると、
特に心神喪失と認定されると不起訴になるか、起訴されても無罪となるということに関しては、社会的に抵抗感を抱く向きもあり、本作もこの点に対し問題提起している。
と、説明されている通り、ある殺人事件で逮捕された被告人の「精神鑑定」で、偽証であることを証明する話となっている。
その殺人事件の被告は実は、昔その殺された男に、自分の妹を乱暴され殺されたのに、その犯人が「刑法39条」で守られ、罪を問われなかったことに対して、 法に代わりその男を罰するために、戸籍を代え別人に成りすまし、その男を殺すのだが、綿密に計画を立て、自分も同じ「第39条」を盾に、罪を問われないよ うに考えたうえでの犯行であったが、結局最後は鑑定人に見破られてしまう。
面白いのは、その見破った女性の鑑定人は、その男を最初に鑑定した教授の助手をしていたのだが、被告人は「別人格」を装い、その助手の首に手をかけた。
その時、その助手は、被告人に殺意が無いことを見破り、最初の教授と別の鑑定結果を出す。
やはりここにも「権威主義」があり、結果として教授の判定は間違っていたこととなる。
でも面白いことにこの映画・・・・
「芸術文化振興基金」の助成を受けているらしい・・・
こんな現行の法律の問題点を、鋭くえぐる内容の作品に、政府から出資されたお金が使われていることに驚いた。