先ほどの続編である。
こちらではさらに「貨幣経済」そのものがある限り、我々は奴隷であるとはっきり言っているのだが、まず連邦準備銀行とアメリカ政府の関係は、政府が金が必要になると、自国の「国債」と交換に、準備銀行から金を借りる。
その時点で「負債」が発生する。
政府は借りた金をいったん銀行に預ける。
すると銀行はそのうちの9割をまた、他に貸し出すことができる。
これを繰り返すと、1ドルの貨幣しかないのに、9ドルの負債を得ることができる。
つまり、実際に存在する貨幣の9倍の負債を銀行は得ることになり、いつまでたってもこの負債を完全に返せない仕組みが「貨幣経済」だと言う。
仮にすべての負債を返済した時には、貨幣は存在しないと言う。
しかもこの銀行は4つの一族により運営されているから、すべての利益はそこに集まる。
そしてこの銀行がアメリカ政府を裏で動かしており、世界中の国々に金を貸し、負債を作ったうえでその国のシステムを手に入れる。
その為には国の代表者を買収するか、あるいはクーデターを起こすか、暗殺して、是が非でもアメリカの言いなりにする。
その為にCIAを始め、民間のコンサルタントが、裏で暗躍する。
その例がいくつも紹介されているのだが、この話の中に「ビーナスプロジェクト」と言うのが紹介されている。
何やら、貨幣ベースの現在のシステムを「資源ベース」に変えることにより、貨幣システムの消滅を目指すと言う。
その為には政治や宗教に何の力にもならず、それを変えうるのは「テクノロジー」だと言う。
つまり科学技術が発達すれば、人労働は無くなり、機械化が進み、人は労働から開放され、生活に必要なものは供給されると言うのだが・・・
そんなに簡単には、既得権益を持った者が、それを手放すとは思えないので、絵空事だとしか思えない。
最後の締めくくりは「意識の変化」と言う話になるのだが、既存に貨幣経済や物質主義に協力せず、家族や知人を軍隊に入れず、4つの銀行にはお金を預けず、テレビのニュースを見ない・・・
そんな形で、みんなの意識変換がなされれば、今のシステムを変えることができると締めくくっている。
確かに「問題提起」は間違っていないし、話を聞いて納得するのだが、しかし欲があるのは、頂点に立つ一部のものだけではなく、その下にピラミッド型の階級が存在する。
そのすべての意識を、そんな話で変えられるのだろうか?
私はそんなことぐらいで、明るい未来が来るとは思えず、むしろ何らかの「外的刺激」で、多くの人の意識変換がなされない限り、実現は難しいと思う。