古い作品で1962年のハリウッド映画で、モノクロである。
同名の自伝的小説の映画化だと言う。
小説はピョーリッツァー賞を取っているらしく、とても感動的な話である。
時代設定は1930年代のアメリカ南部の町。
グレゴリー・ペック演じる弁護士を父に持つ、二人の子供と友達がどちらかと言うと主人公なのだと思う。
この手の法廷問題を描いた映画はいくつもあるが、それを弁護士の立場ではなく、子供の目線から見た弁護士としての父親の姿。
そして何より、当時の南部がいかに黒人差別意識が強く、法廷の証言から明らかに冤罪と思われる黒人男性に、それでも白人の陪審員は「有罪」を言い渡す。
その裁判を子供の目線で、いかに偏見に満ちているかを訴えたものと思われる。
また、その裁判は終わった後に、隣人で姿を見せない「怪物」だと子供たちが信じていた男は、実は心優しい男だったと言う落ちまでついて、もう一度正義とは何か?を考えさせられた。
(資)文化財復元センター おおくま