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墓石とステレオ写真
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以前からなんどか、風化した墓石の文字の読み取りについて、試行錯誤を繰り返してきた。
石に彫られて風化した文字は、なにか特別の波長の光で見えてくれると有難いのだが・・・
いくら調べても、そんな有難い方法は出てこないし、また需要はあるはずなのだが、これと言った解決策もでてこない。
以前に3D関係のソフトの開発会社に聞いたときは、「レーザー測量機」で凸凹を計測するのがいいのかも??と言われたことがある。
しかし、高価であることと、もう一つはどれだけ細かく測距ポイントを作ろうとも、図った場所しか解らないと言う事。
そんなことで、そのまま棚上げにしていたのだが、最近ホームページをみた石屋さんから問い合わせがあり、再度また方法を検討していた。
で、結論から言うと、以前もテストの途中で投げ出していたのだが「ステレオ写真」という、ちょっと懐かしい技術を応用出来そうである。


昔「立体写真」とか「飛び出す映画」とか言って、「赤と青」のセロファンを貼ったメガネを掛けてみた経験のあるヒトも多いと思う。
その古くからある技術と「デジタル画像処理」を組み合わせることで、ちょっと違う目的で使えそうである。
まず、右と左用の「ステレオ画像」を撮影する。
20071005-boseki-R

20071005-boseki-L
なのだが、これを専用ソフトで処理するわけだが、その画像を見るには
20071005-megane
こういうメガネを必要とする。
手持ちがなければ、文房具屋さんに赤と青のセロファンが売っていると思うので、自作してもらうとして
20071005-boseki-st-1
これがその立体写真となる。
もちろんメガネを掛けないと解らないが、十分立体感がでているはず。
しかし、この程度の立体感ならわざわざこんなことをしなくても「現場」で見るのと変わらないと思うヒトが居ると思う。
そこで、さらにうちの「墓石の解読」http://www.fukugen.co.jp/02fukugen/boseki.htmのページにあるように画像処理をして、細かい凸凹が解りやすいようにしたものを、さらにステレオ画像にすると
20071005-boseki-st-2
こんな感じに仕上がる。
メガネを掛けないと解らないのが残念だが、最初の物と比較して、「立体感」がかなり「強調」されていることが解る。
さらに今度は、この画像の視点を移動して、まるで3D画像のように違う位置から見てみると
20071005-boseki-st-3
こんなことまで出来てしまう。
まさに石の「凸凹」を再現するにはうってつけの方法と言えるが、しかし、「画像による文化財復元」と同様に{必ず元の文字が解るとまでは言い切れない。
しかし・・・現時点ではどんな方法を使っても「絶対に解る」方法はないものと確信する。

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これまでのコメント

  1. 有限会社アイベル水理設計 相沢行徳 :

    すばらしい技術ですね。
    わたくしは、測量・設備・スキャニング等の小さな仕事をしている者です。デジカメによる測量調査ができないか15年前に期待しておりましたところ、ステレオ画像計測をたまたまた知り、偶然にあなた様の記事を拝見させて頂き感動いたしました。
     益々のご発展をご祈願いたします。

  2. SolidFromPhoto :

    写真から3次元形状を作成するプログラムを作っています。
    よろしければ、御覧ください。
    http://www3.plala.or.jp/Sol

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