この文章はすでに公開済みなのだが・・・
その後YouTubeではなく、有料の映画配信サイトで、何度もこの作品を見ている。
今日も見たが、実は数日前にも見ている。
で、また書く気になったのは、実はここにある40年前に亡くなった親父の実家が、山梨の万沢にある。
既におやじの代の兄弟はほとんど亡くなっているが、実家はその息子の代になっていて、よく墓参りの時に泊めてもらっていた。
そこの私の従弟もすでに亡くなり、その奥さんが1か月ほど前に亡くなり、葬儀に行ってきた。
その時も結局は私はその葬儀の記録写真を撮っていた。
で思うのだが、このおくりびとも、ヒトから嫌がられる仕事だが、しかし誰かがやらなければならない仕事。
それに着く人って、この作品を見ていて、本当に尊敬できる人だと思えてきたけど・・・
実は私の仕事の「画像による文化財復元」と言う仕事も同じで、誰かがやらなければならない仕事。
決してもうかる仕事じゃないが・・・
それでも導かれたことに感謝している。
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YouTubeで「おくりびと」を見つけた。
この映画は数年前に1度テレビで見た覚えがある。
この映画が賞を取った当時、私は葬儀の世界はそんなきれいごとではないと、ずっと思っていた。
いゃ、思っていたと言うより、事実、現実の葬儀の世界はあんな「情」など、微塵もないことを私は経験している。
私が現在の「デジタル画像による文化財復元」の仕事を始めるきっかけとなったのが、24歳の時から写真を職業として長年やってきたが、「デジタル」の普及により、多くの専門職が消えてしまったが、「写真撮影」もその一つで、素人が撮った露出の間違った写真もPhotoshopで簡単にきれいになる。
そんな時代になると、専門家としてのカメラマンも仕事が無くなる。
それがきっかけで、Macを使って葬儀の「遺影」の制作を、試行錯誤で始めた。
ちょうど40歳前後だったと思う。
その技術を売り込みに「葬祭業」に出入りしたのだが、葬儀の世界は現実にはあんな綺麗ごとじゃない。
業者は付属する品物やサービスを外注しているが、その下代は、上代の半値以下はあたりまえ。
物によっては十分の一と言うものもあり、ぼったくりの商売であることを、外から見てきた。
つまり、質の良さより、仕入れ値の安さ、マージンの多さで、出入り業者を決める。
そんな世界で、私は質の良い「遺影」を作ってきたが、結局安い業者に押されて、その仕事をやめて、「文化財復元」の仕事を始めた。
そんな経験もあり、あの映画は見たいとも思わなかった。
ただ、数年前に見たときは、ソコソコいい映画だと言う印象を受けていたが、今日、2度目に見たとき、はじめてあの映画の本当の質の高さが解った。