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江戸時代初期の位牌の解読
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時々頂く、復元問い合わせの中に「先祖の位牌」の話がある。
以前にも問い合わせがあったのだが、どうもその家にとって、復元費用を払うほどのものでもないとの判断されたようで、「毎年お盆に洗っているから、文字は消えているだろう・・・」と返事を頂いた。
確かに残っていないものは復元できない。
しかし・・・・
本当に残っていないのだろうか??


今回別の方から問い合わせを頂いたときに、「費用の見積もり」をお話した時、決して安いものではないことを説明し「それを安いと思うか、高いと思うかは持ち主の価値判断によりずいぶん変わります」とお返ししたのだが、今回の依頼主は「このままもやもやした気持ちで置いておくより、この際はっきりさせたい」との事で、作業に掛からせていただいた。
さて、現物を見ると確かにずいぶんと保存状態が悪く、金箔を張った位牌の上に墨文字で書かれていたようだが、黒ずんでいるところと、墨文字がほとんど消えているところがほとんどであり、果たしてどこまで読み取ることができるか?
今回は保存状態が悪く、赤外線撮影では良い結果が期待できないこともあり、まずポリライトで一通りテストをしてみた。
前回の板に直接書かれた墨文字では、蛍光作用は期待できないが、金箔の上に書かれたものであれば、たとえ墨文字が消えても、「書かれた後」の金箔とそうでない部分では、何らかの違いがあるはず・・・
と、なれば、それがポリライトで拾える可能性が高いと判断したのだが・・・・
結果としてはあいにく蛍光作用は記録できなかった。
さぁ・・・仕事として受けた限りはある程度の結果を出さなければならない。
今回もいろいろ試し、結果として残っている墨文字はわずかであったが、それでも残っている文字情報は祖先をたどるには大事な情報である。
依頼主は「武田菱」を家紋に持つ方で、この位牌以外にもいくつもの先祖の位牌があり、それらはちゃんと読めるらしく、この読めない位牌が気になっていたとの事で、この位牌に残された少ない情報ではあるが「これを元にルーツを探してみます」と言われた。
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20070721-takeda-b

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