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こだわり
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 ①  真実性の保持 

 

よくマスコミでこの技術を取り上げられるときに、間違って「CG」として紹介されますが、CGとは読んで字のごとくコンピューターグラフィック、つまり「」を意味し、存在しない物も描くことが出来ます。 

 

しかし当社のこだわりは、あくまでもCGではなく「写真画像」という事実です。言い換えると、文化財の目に見えなくても、残された情報として存在するものを写し撮った画像を基に、デジタル画像処理することにより、その情報を「視覚化」し、往時の姿を甦らせようとしております。 

ですから、記録として残っていない部分は、捏造を防ぐ意味においても、あえて書き加えない様に心がけています。

 

   


   

②  クォリティ 

 

 私どもは復元にあたり、「原寸大」のレプリカの製作が可能であるクォリティを保ちます。  

  

つまりモニター画面上でCGにより綺麗に復元されたものであっても、モニターの解像度や文化財の「実寸」を考えた場合、必ずしも十分なクォリティで復元されたとは言いがたい場合があります。 

また逆に言えば、細部を顕微鏡で覗く様な作業をして始めて、残された情報を読み取ることが可能となります。 

 

 


 

③  デジタルデーターと 出力データーで保管

 

私どもの成果品は「デジタル画像」そのものですが、しかし実際には出力したものも一緒に納めます。

 

デジタルデーターそのものに劣化はありませんが、出力媒体は物質としての劣化を伴います。私どもは主にEPSONの顔料系インクジェットプリンターを用いています。

一昔前のインクジェットのインクはすぐに変色したものですが、このインクでは、数十年は変色が許容範囲内に収まるとメーカーは発表しております。

しかしながら肉筆の顔料系絵の具に比べれば、まだまだ変色は免れないのが現状です。

 ですので、復元した画像は「記録」として後世に伝えるために、「デジタルデーター」も一緒にお渡しすることもあります。 

 

数十年後変色したとしても、また出力できるように考えております。 ただしその場合でも、画像の著作権は私どもに帰属しますので、違う目的での使用に関しては、事前に連絡ください。

 


  

 ④  実態はなくても伝えられる人の営みの記録 

 

 形あるものはいずれ朽ちて土へと返ります。

一度痛んだものは二度と元には戻りませんが、しかしながらそこにはまだ製作当時の記録を留めていることがあります。 

本来文化財とは人の営みを記録したものとしての価値を有していますが、朽ち果てることにより、その貴重な記録をも失うことになります。 

  

デジタルは物質としての実態を伴いません。 たとえ物そのものは復元できなくても、そこに残された人の営みの記録は復元が可能ですし、後世へ伝えることが出来ます。

 

  


 

⑤ 畏敬の念と使命感

 

文化財の本来価値は、中身にあるとの持論を持っており、そこに込められた「先人の思い」に対して、強い畏敬の念を抱き、先人の高い精神性の復元を心がけております。また復元とは、その作業を行うものの主観を排しなければ、真の復元はなされません。

 さりとて、作業者自身が先人の精神性を読み取れるだけの、高い精神性を持ち合わせなければ、形は復元できても、そこに込められた先人の思いは決して復元されません。

 

 その一つの例ですが、復元された仏画を中小企業の展示会に展示したところ、たまたま訪れた一人の会社員が仏画の前に歩み寄り、「拝ませてほしい」と申し出られ、ワイシャツのボタンをはずし、首から下げた大きな数珠を手に持ち、お経を唱え始められた。後で聞くと彼は密教の在宅信者とのことでしたが、わたくしは形ではなく、先人の思いが復元できたと信じています。 

 


   

⑥ 匠の技

 

デジタルでの復元というと、多くの方はキーボード一つ叩けば、あとはコンピューターが自動で復元してくれると思われがちですが、しかしデジタルは手段にすぎず、またコンピューターは道具にすぎません。 

  

  どんなに優れた道具も、それを使う者の腕の良し悪しが結果を左右します。

なにわの名工  わたくしは研究者ではなく、職人です。つまり誰がやっても同じ結果が出るものではなく、その作業についての多くの経験と、そこから得たノウハウを持つものでなければ、最善の結果は得られません。  わたくしはこの技術で、平成19年に大阪府の「なにわの名工」、そして平成23年に京都府の「現代の名工」という称号を得ています。しかし、かと言って、残された画像だけに頼るのではなく、多くの専門家の知識や意見も大事にしなければ、正しい復元には至らないこともあります。 現代の名工

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