2007年の邦画である。
京都の50年以上続いた映画館を守ってきた、一人の女と二人の男、そして子供のころにそこによく遊びに行っていた一組の夫婦の物語。
そのオリオン座が閉館することになり、昔なじみの客に閉館興業のお知らせが届くところから、物語は始まる。
いうなれば、「ニュー・シネマ・パラダイス」の日本版という感じなのだが、その「ニュー・シネマ・パラダイス」も2つのバリエーションがあり、短いほうはトト少年のかわいらしさが中心だが、長いほうのバージョンは、そのトト少年が大人になり、恋愛をし、その話がメインとなっている。
こちらの物語はどちらかというと、長いほうのバージョンと似ていて、このオリオン座を始めた夫婦と、そこに下住として住み込んだ青年を中心として、話は進む。
その映画館の創始者であり、技師でもある亭主役を宇崎竜童が演じている。
ご存知のように、ダウンタウン・ブギブキバンドのリーダーだったが、実は彼らがまだドサ周りをしていた頃、「京大西部講堂」での大晦日年越しライブに出演していた。
当時私の友達がそのイベントの裏方をしていたので、そのライブを撮っていたのだが、サングラスをかけガラの悪いつなぎを着た連中が、演奏を始めた・・・・
その宇崎の横顔を撮った覚えがある。
彼も多彩な男で、曲も作れば役者もする。
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2007年のアメリカの作品らしい・・・
αビデオの作品検索に簡単な説明が載っていて、それを見ながら見たいものを選ぶのだがそれに
再会の街で
誰もが必ず出会う人生の問題を、二人の男の魂の交流を通して描く感動のヒューマン・ドラマ。物語の軸になる二人の主人公を演じるのはコメディ俳優アダム・サン…
と、あった。
この「誰もが必ず出会う人生の問題」という言葉に惹かれて、チェックを入れた。
物語は男二人の友情の話なのだが、一人は歯科医として開業し、仕事も家庭もうまくいっているのだが、どうも女房と居ると息が詰まると感じている。
ある日、街中で大学時代の友人を見かける。
実は二人は歯科大学の同級生で、しかもルームメイトであったが、本来ならその友達も歯科医をしているはずだが・・・
実は「9.11」の時の乗っ取られた飛行機の事故で、女房と娘3人と、愛犬を同時に失っていた。
それが原因で、心を閉ざし、仕事もせずにテレビゲームや音楽にのめりこむ生活をしているのだが、最初にその友達と再会した時。友は心が病んでおり、彼のことも覚えていないという。
しかし、何度もその友を訪ねるうちに、親しさは取り戻せたが、しかし友は相変わらず心を閉ざして、家族の話を忘れようとしていた。
そんな彼の心を開かせようと、アメリカではセラピーが盛んなのだが、何度も彼を誘う。
やがて彼もセラピーには通い始めるが、しかしそれでもなかなか心を開かない。
何度か通ううちにセラピストから「私でなくてもいいから、だれかに心の中を語らないと・・・・」と言われ、その彼に少しずつ語り始める。
こころを開いたのはいいが、その家族の話を始めると、最後に女房は台所の模様替えの話をしていたが、彼は出かける前で忙しく、女房にどなったという。
友は女房との最後の会話で、自分がどなったことをとても悔やんで、自分を責め続けていた。
こんな話「誰もが必ず出会う人生の問題」ではないとは思うが、実は私の知人にも似たような経験を持つ者がいる。
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2004年のアメリカの作品らしい・・・
日本の映画で先日見た「博士の愛した数式」という作品では、博士の記憶は「90分」しか持たない・・・
この映画のヒロインも、同じような病気で、「一日」で記憶が消える。
事故で事故前の記憶はあるが、それ以後は毎日同じ一日を繰り返していた。
つまり、主人公のプレイボーイは毎日彼女に近づき、友達となっては、またあくる日には忘れられていて、最初から彼女に近づく。
いずれ彼女も自分の症状を知るようになり、忘れないために毎日日記をつけて、あくる朝読み返し確認するようになる。
そんな中に主人公は彼女の記憶の奥底には記憶が残っていることに気づき、何十回となく彼女とファーストキスを繰り返し、結婚式を挙げるが、またあくる朝には彼女はそれを忘れている。
ラストは、二人の間には子供が大きくなっているのに、彼女は同じことを繰り返している・・・・・
彼女も大変だろうが、周りのものもそれ以上に根気強くないと、そんな毎日に耐えられないと思う。
2006年のスイスの映画らしい・・・・
スイスの映画なんて、ほとんど見ることがない。
しかし、舞台がスイスの小さい村ということで、スイスの美しい風景がたっぷり見れる。
ところでこの映画、字幕版なので、セリフはそのままなのだが、どうもその耳触りというか、雰囲気的にどうも英語では当然ないが、ドイツ語やフランス語ともアクセントが違う、聞きなれない言葉である。
調べてみると、公用語は「ドイツ語」とはなっているが、どうも特殊らしく「スイスドイツ語」というものらしい・・・
物語は、以前に「ショコラ」というフランスの保守的な村で、チォコを売る未婚の母親の話があったが、それの老人版ということになる。
主人公のマルタはたぶん70代の未亡人だと思うが、若いころにランジェリーに刺繍をしていて、店を出すのが夢だったが、嫁いでからは亭主が反対して諦め、50年が過ぎた。
ところが友人の一人に勧められ、その店を保守的なその村に作った。
このドラマ、昔テレビで見た・・・・
確かNHKで何度かシリーズ化されており、楽しみに見ていた記憶がある。
調べてみると、テレビドラマが1981年から始まったという。
今から35年ほど前となるから、私が20代で独身の頃となる。
当時から何度もシリーズが作られ、その都度吉永小百合の何か物悲しそうな雰囲気が、たまらなかった。
この映画版なのだが、1985年に作られたという。
被爆者である芸者の夢千代が主人公なのだが、この作品の吉永小百合は、随分と顔が痩せている。
役に合わせて痩せたのか?それとも当時はもともと痩せていたのか?
しかし、役に合わせて、あと1か月という命を表しているように思う。
相手役が北大路欣也なのだが、あまり変わっていない。
この作品では、最後に北大路欣也に抱かれた後、夢千代は息を引き取り、映画版では続編は作られなかったらしい・・・・
(資)文化財復元センター おおくま