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死語とかした「デジタルアーカイブ」について、むかし書いた記事
2007年5/26日、つまり今から6年前に「デジタルアーカイブ」について書いた記事を見つけた。
デジタルアーカイブとは、95年の「G7・世界情報インフラ関係閣僚会議」の合意により、日本国政府もいろんな省庁において補助金をだし、研究や事業が行われたらしい・・・
わたくしが文化財復元を始めたのが2000年であり、それ以前の話であり、当時私はまったくそんなことに興味も無く知らなかった。
その主目的は、「文化財の保護と公開」そして「活用」することらしく、文化財は公開することにより、いろんな意味で「劣化」が加速する。
しかし一方では、文化財は広く多くの人に公開されてこそ意味を持つ。
その相反する矛盾を解決する方法として、昔から「レプリカ」を変わりに展示することが多く行われてきた。
しかし、レプリカの制作にはどうしても「人為的作為」が例え無意識であっても入り込んでしまう。
その点「写真画像」では、技術的な問題を除けば、まだ実物に近い存在だと言える。
それを一歩進めれば「デジタル画像」として記録することで、実物はともなく、「記録」としての劣化は防げる。
しかも、それをネット上や印刷物として活用することで、多くの人に文化財のすばらしさを知らしめることが出来る。
まさに「いいことずくめ」であるが、しかしながら一番の問題は「クォリティ」だと思う。
ご存知のように、現在のデジタル画像は「ドット」とよばれる点の集合体である。
その点が多ければ多いほど、細部を細かく記録できる。
しかし逆にその分「データー量」が増してしまう。
そこがアナログとデジタルの大きな違いであり、一度取り込まれた「デジタルデーター」は、後でいくら「補間」して大きくしても、現実的にはクォリティを増すことは出来ない。
つまり、最初にどの程度のクォリティで保存するのか?が大きな問題となる。
前記の「デジタルアーカイブについて」でも触れているように、本来「統一基準」が作られるべきであるが、しかしながら「デジタルアーカイブ」と一言で言っても、今後どういう「活用」が考えられるか?によって、必要とするクォリティが異なってくる。
つまり、単にネット上での公開だけなのか?
あるいは本として出版を考えているのか?
はたまた、大きなパネルにして展示する可能性があるのか?
その違いにより、保存すべきデーターのクォリティが変わってくる。
まして、その担当部署によりデジタルに関する知識も、考え方も変わるのが現実であり、「デジタルアーカイブ推進協議会」と言うのが設立され、いろいろと協議されたもようであるが、すでに2005年の7月にそのサイトは閉鎖されている。
しかしいくつかの結論がそのページにはリンクとして残されていて「デジタルアーカイブへの道筋」(既に削除されている)と題したページには一つの基準となる記述がある。
それによれば、
ネットでの公開に関しては「20万~40万画素」
高精細映像としては   「200万~400万画素」
印刷物としては      「2000万~4000万画素」
と、一つの目安を示している。
しかし、一般のヒトにはピンと来ないと思うので、一つの例を示すと、現在主流である「1200万画素」のデジカメで撮ったデーターを、補間することなく使った場合「A4サイズ」の大きさで、「約360dpi」の解像度となり、一般写真印刷のクォリティと同じである。
仮に、インクジェットプリンターで、その2倍の面積のA3サイズのプリントにしたとしても、その大きさを両目でカバーしながら見る範囲において、十分シャープに見えるクォリティである。
ただ、ルーペで見るとか、近寄って細部を見れば少し不満が残る。
それを元に画素数を見ていただければ、との程度のクォリティとして「デジタルアーカイブ」化されているのかが判ると思う。
しかし、わたしはここで疑問を感じてしまった。
つまり、一度取り込んだものは、後ではクォリティを上げられないという現実である。
デジタルはまだ始まったばかりであり、「発展途上」に過ぎない。
機器も高ければ、技術的にもまだまだ問題を抱えている。
だから、目先の「利用目的」だけを考え、「最小限度」のデーターで済ませようと、どうしてもしてしまう。
しかし、考えてもらいたいのは、5年あるいは10年前の「デジタル」の状況、そして現在の状況を比較すれば一目瞭然のように、凄い進歩である。
さらにこれから先、5年・10年いゃそれ以上のスパンで考えたときに、こんな「基準」で残されたデーターが果たして意味を持つだろうか?
多分、使い物にならないとわたしは思う。
最小限のデジタル化は、また将来の再撮影に繋がるし、ましてアナログの文化財は将来は確実に劣化が進んでいて、その時点では手遅れと言うことも考えられる。
わたしはそう考えているので、一昨年地元の「鍵屋資料館」が保管している、地元の引き札のコレクションの一部を「デジタルアーカイブ化」と「レプリカ」の制作を行ったときに、原寸に対し「600dpi」とし、さらに「色」についても、現在は「8ビット」が主流であるが「16ビット」のデーターとして取り込んだ上で、さらに実物の引き札とデジタルデーターの色の偏りを補正して、そのデーターとカラーチャートのデーターとをまとめて一つのデジタルデーターとして残しました。
これは原寸より大きなポスターサイズにプリントしたとしても、十分なクォリティであり、カラーチャートとの比較をすれば、実物を見なくても色は忠実にプリンが出来ることを意味する。
つまり、現在で考えられる「最善策」をこうじて初めて、将来も利用可能なデーターではないかとわたしは思う。
    
と、書いてからちょうど6年が経過した現在、わが社の復元の元データーの大きさは当時「数百メガ」だったが、パソコンの性能アップによって、現在では「数十ギガ」にまで膨れ上がっている。
(資)文化財復元センター  おおくま
数珠巡礼の会への事前プレゼン

20日、高台寺で行われていた、数珠巡礼の会の幹事会でのプレゼンに行ってきました。

先にプロジェクターの準備を済ませておいたのですが、いざ始めると、パソコンがつかなかったり、ずいぶん焦ったのですが、なんとか終了し、参加寺院の承諾を得、6月に行われる総会でのプレゼンの機会を得ました。

円頂寺

18日にfacebookの友達の寺「円頂寺」へ寄ってきました。
ポスターを貼ってもらっているので、それを写真に撮ってきました。
市岡さんは忙しいらしく、あまりお話はできませんでしたが、天井画の「八方にらみの龍」も見せてもらいました。

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研修生 曰く・・・・
先日土曜日に、就職試験を終えた私は、精華町という行ったことのない場所にある「文化財復元センター」へ赴きました。
いきさつは先だって大隈先生が投稿した記事に同じです。「文化財とは、先人の精神の営み、その中身にこそ価値がある」とおっしゃる大隈先生のお考えには、私が普段あーでもない、こーでもない、と理屈っぽい頭で考えていることに近いように感じました。
私がまだ子供のころ、高校生くらいのことです。染織家になりたいと思っていました。着物がとても好きだったからです。
それを手掛ける職人さんの思いを知れば知るほど、織り込まれた一目一目に魂が込められているような気がしたのです。

私は美しい美術品、工芸品、古き良きものの、一体何に魅かれているのだろうか。
大隈先生とお話しして、その問答がひと段落したように思いました。
つまり、そこに込められた魂のようなもの、人が生きてゆくうちに行われた精神の営みが、私を引き付けるのだ、と。

大隈先生はまるで禅問答のように、相手に答えを徹底的に考えさせます。
私はいつも考えていることを、もう一度よく考えることになりました。
わかっていたつもりだったのに、わかっていなかった・・
それは「つもり」でしかなかったのです。
常々頭でごちゃごちゃ屁理屈をこねる癖を何とかしたいと思っていた私は、一晩悩んだ末、GW期間中大隈先生の下で研修を受けることにしました。

徒弟制度の重要性を説く大隈先生のお考えは、屁理屈ばかりで実が伴わない私の根性を鍛えなおすには最適だと思い、しばらく頑張ってみようと思います。
もちろん、「これからずっと頑張ります!!」と自信を持って言いたいところですが、それを先に言っては、まさしく実が伴っておりません。
毎日頑張って、それを積み重ねて、初めて「ずっと頑張ります!」と自信を持って言いたいです。
技術を習得するのはもちろんですが、まず第一に人間を育てたいです。

永田千佳

プレゼン用プロジェクター

おはようございます。

年を取ると眠りが浅いし、朝が早い。

今朝は1時半に目が覚め、3時に家を出た。

実は昨年ヤフオクでプロジェクターと自立式の大型スクリーンを手に入れた。

プロジェクターとスクリーン-1 プロジェクターとスクリーン

これは昨年末の中学生の社会見学のときに、初めてそれを使ったのだが、ネットで取説を落としたら、やたらとページ数が多い。

その頃、ちょうど瀬戸神社の大絵馬の復元の山場を迎えていたので、プロジェクターの操作法はスタッフに任せていた。

しかし、毎度毎度まかせっきりにはできず、昨日自分で取説をプリントアウトしたら、両面印刷で1時間以上かかった。

しかも何度も紙詰まりを起こすありさまで、プリントが終わるころには、もう読む気すら失せてしまい、そのままプリントは仕舞い込んだ。

でもそれだけ多機能だということらしい・・・・

とりあえずパワポで作ったデーターを写し、設定を見てみたら、明るさは2段階に調整でき、フルスクリーンにしても室内の蛍光灯を消さなくても十分きれいに見える。

実はこれを引っ張り出したのは、先日の「数珠巡礼」の幹事会でプレゼンの機会を与えられ、その準備のために引っ張り出した。

準備万端、出番待ちと思ったら、どうもプロジェクターもスクリーンも必要ないと言われてしまった。

どなたか、このプロジェクターとスクリーンに出番を与えてもらえませんか・・・・イャホンマ

(資)文化財復元センター  おおくま

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