- 【梅雨時だから、ドライ&ウエットな話】
- 2006年06月17日06:07
これって、「日本人」の民族性だよな・・・・
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今からさかのぼる事28~29年くらい前の話しなんだけど、僕がシゴトとして写真を始めたのがちょうど30年前。
最初は街の写真館で、結婚式や葬式のシゴトとか、小学校の学校アルバムなどをやったわけ・・・
まだ24歳成り立てだから、小学校で「写真屋のオッチャン!!」と呼ばれると・・・
「オッチャンや無い、お兄ちゃんや!!」とむきになったいた頃、同時に近くの結婚式場の婚礼写真の助手をしながら、撮影を見ていても・・
撮影は婚礼衣装の「かたち」を調えるのに必死なんよね、みんな・・・
つまりいかに衣装の線を綺麗に出すかが、「プロの腕」みたいに思われていて、それを気にするし、またフロントにお客さんがクレームを入れるのも、割と衣装の話が多い。
でも、おかしな事に、結婚式なのに「花嫁の表情」なんて、誰も気を使っていないわけ・・・
それどころか、笑顔の写真ではなく、「ハイ、そのままカメラを見て・・・」「首を少し傾けて・・・」「ハイ、バシャッ!!」とシャッターを切るわけ・・・なんかおかしいなと思ったわけよ・・・
だって自分の結婚式なんだから花嫁はうれしいはず・・・
なのに笑顔の写真は無く、それどころか衣装の型をつけるために、クリップで裏側はガチンガチンに止めてあるし、そのまま動けないし・・
重い鬘は被っているし、花嫁は「苦痛」なんよ・・・僕はなんでうれしそうな写真を撮らないのか?不思議だった。
で、1年ほどしてそこを辞めたわけ・・・・
色々そこの経営者に対して不満が出てきた。
僕はその後もそうなんだけど、写真の中でもいろんな分野を渡り歩いていて、同じところで長年居ても、そこで得るものが少なくなるより、他に行っていろんな事を学ぶ道を選んだ。で、そこを辞めて、当時新しいスタイルの写真館が出来ていた。
まだ出来たてだけど「日本・PCA」と言って、本社がアメリカにある「移動スタジオ」と言う新しい形式だった。
そこは固定したスタジオを持たず、スーパーのレジの横とかあるいはデパートの「赤ちゃんフェア」とかのイベントで、1週間だけ2坪ほどのスペースでスタジオを作って、「子供専用」に写真を撮る。
しかも撮影料は「タダ」の上に、撮った写真をキーホルダーに入れて「無料でプレゼント」すると言う大盤振る舞い・・・・いまでも自然食品なんかで「催眠商法」とかで、最初にタダで物を配る・・・
実はそれに近いところもあるわけ・・・・その新しい写真館の写真に僕は惹かれた訳・・・
子供の表情が生き生きはとしていて、婚礼写真と正反対。
実は撮影時に子供と遊びながらシャッターを切るんだけど、ノウハウがあるわけ。で、誰でもそうだけど「タダ」には弱い・・・・
最初に大量に写真を撮るわけよ、キーホルダーに入れる以外にも・・・
で、当時は1ヵ月後にアメリカでプリントされた写真が、キーホルダーを撮りにきたときに1セット見せられるわけ・・・でもこれは詐欺ではないわけ・・・
キーホルダーはタダでもらえるし、撮影料もタダだし・・・
でも・・・・親って、自分の子供の写真を見たら????
買わずにいられるか??親馬鹿心理につけこんだ商法なんよ・・・
これが最近では「子供スタジオ」として、撮った写真を見せられて、「可愛いですね!!」と受付におだてられてバカみたいに写真を買うあの商法の始まりなんよ・・・で、当時キーホルダーを撮りに来たヒトに、写真を一通り見せて「欲しいものがあれば購入できます」とセールスマンが説明するわけ・・・
決して「買ってください」ではなく「購入できます」と言う形をとるわけ・・・
だから押し売りには当たらない・・・でも、おかしいと思わない?
「もし、写真が売れなかったら??」と、誰でも思うよね?
しかも写真の値段は、僕が居たような日本の写真館に比べたらかなり安いわけ・・・
それで商売が成り立つの??
と思うんだけど、そこがアメリカなんよ・・・・親は当然気に入ったものは買っていくけど、じゃ気にいらなかったら??と聞くと・・
そう、他人が買うはず無いわな??
セールスマンは「処分します」と言うわけ・・・
実際に処分するしかないわけだから・・・
随分資源の無駄をしている事になるやん??
それがまさにアメリカ式で、大量生産の大量消費主義だったわけ・・・・アメリカ人は「ドライ」だとよく言うけど・・・
確かにアメリカでは、この商売が爆発的な勢いで発展していて、「安い」上に、「写真を見て選べる」しかも気に入らなければ、「買わなくてもいい」訳だから、日本みたいに、先に金を払って、写真が気に入らなくても「注文生産品」だからキャンセルが効かない写真館とは雲泥の差なんよ・・・
だから爆発的に伸びたわけ・・・・
だけど、日本では数年後に撤退した、その会社は・・・
日本人は「ウェット」なんよ・・・・
そう、昔誰かが「ノーと言えない日本人」とか言っていたけど、まさにそれ・・・・
日本では「買わないとこの写真、どうなりますか?」を親はまず心配するけど、アメリカ人は「要らない物は要らない」訳で、例え自分の子供の写真でも、どうなろうと気にしない・・・ところが日本人は売れなかった分まで心配するわけ・・・
我が子の写真が捨てられるのが、忍びないわけよ・・・
で、結局は無理して要らない写真まで買ってしまうわけ・・・この商法は「薄利多売」だから、同じお客からリピートしてもらわないと儲からない。
アメリカ人は「いいとこづくめ」だから、子供は成長するし何度も撮るわけ・・・
だけど、日本人ってウエットじゃん??
ホントは「選んで」「気に入ったものだけ」買える筈なのに、結果としてそれが出来ない・・そうなると・・・
後に残る気持ちは「買わされた・・・」と言う意識が残るわけよね??ちょうどぼくが、どんなに当人のためと思って言って聞かせても、当人は「強制されている」と感じてしまうのと同じ事なんよ・・
それが日本人なんよ・・・・そう言う意識が残れば、当然たとえ「タダ」と聞いても「いぇ、結構です」というわな??
そんなわけで、この商法は日本から撤退した・・・・アムウェイも何故日本では伸びないか?
同じ理由だと思うよ・・・くまさん
コメント
- さくら2006年06月17日 08:31
- ちびちゃんの七五三のときは写真館でばしばし撮られたっけ。
何シーンも小物を変え場所を変え撮るわけですよ
デジカメなんで要らないやつは消去なんだけど写真館の写真は高いんですよね^^;
数枚気に入ったものだけ(正確に言えばパック料金内)でおさめました。
ただ娘の選んだ着物が松田聖子デザインだったので+3000円でしたが。いわゆるねずみ講のような方法で商品売ってる人はもぉ必死でお客ゲッツしてますよね
断るの苦手 でもさくらの場合は絶対嫌いだから買わない。
薦められれば薦められるほど嫌になるw(あまのじゃく)
- コメント
- くまさん2006年06月17日 16:51
- さくらさんは聖子ファンかいなぁ・・・
多分、買った枚数が多くないのは、カメラマンが「へたくそすぎる」かさくらさんがドライだったりして・・・オイオイ
七五三のさつえいなんか、今では全て子供スタジオに取られてるわ・・・
結局基本料金は安くても、結果として数万円分の追加をするのが大半だと想うよ・・・
なんたってスポンサーは、両親のじいちゃんばあちゃんだから、孫の写真には気前良く金を出すみたい・・・くまさん
- くまさん2006年06月17日 18:25
- そうそう・・・・
さくらさんの年代だったら、この写真館撮った可能性が高いよ?
設立当時、東京と大阪に事務所があって、後で九州にも事務所が出来たけど、僕も当時広島とか岡山辺りまで、出張で撮影に言っていたことがある。
当時広島のデパートの「赤ちゃんフェア」で、撮影風景は見世物と一緒で、見ていて楽しいから、わが子も撮って欲しいという客が人垣が出来るほど増えるわけ・・・
そんなわけで「勢い」なんよ、撮る方も撮られるほうも・・・
で、「マムズ」と言って、赤ちゃんと母親をセットで10カット近く撮るんだけど、それを100組独りでを超えた事があった。くまさん
- くまさん2006年06月17日 18:30
- あぁ、それから問題なのは「割り切り」が出来るか否かなんだと思うなぁ・・・
アメリカ人は、お互いに割り切っているから、友達や血縁関係でも金儲けが出来るけど、日本人やアジア人はそれに抵抗があるから、アムウェイは日本に根付かない・・・くまさん
- さくら2006年06月17日 22:57
- やあ (。・_・。)ノ
さくらは松田聖子ファンじゃないよ、たまたまちびが選んだ着物が彼女デザインだっただけ
本人が決めたものだから彼女の意見を尊重したのさ。いやいやうちの年寄りたちはお金は出さない
自分たちで出すからやっぱりドライになる
勿論年寄りが出してたらもう2枚ほど追加してたかもねあたしが生まれた頃はまだ写真撮影はあんまはやってなかったよ、田舎だったせいもあるかも
まだ共働きという言葉が非常に珍しかったから
あたしの写真は浴衣着てあたまに飾り付けたスナップ写真だよ
アムゥェイこっちは結構流行ってる、必死で断ってるよw
というかその程度の存在かぁって寂しくなるね
ぁどんな気持ちで勧めてるかわからないからさくらの独断なんだけどね。
- SORO2006年06月19日 17:09
- 遺影って探すと案外ないものですが、実際に死亡した人を撮影して遺影とする事ってあるものなのでしょうか?
- くまさん2006年06月19日 18:14
- 死亡したヒトを撮るって??
遺影はパソコンで着せ替えとか出来るし、旅行のスナップとか集合写真から顔だけ取り込んで作るのが普通・・・確かに余り写真を撮らないヒトも居ることは居て、おばあちゃんで死んでも、娘の頃の白黒写真しかないヒトも居たけど・・・
死人の顔を撮って、それで遺影を作ることはまずないなぁ・・
中には遺影なしの葬式もあるけど・・・・葬儀業界はボッタクリの業界で、実際の出入り業者は半値以下で卸しているのが大半やでぇ・・・
くまさん
- SORO2006年06月20日 03:09
- なるほど、なるほど。死亡後の撮影は無いのですね。
歳の割りに、随分若い写真がありました。
南無阿弥陀仏・・・