以前にも
や
にも書いたんだけど、鹿児島に「知覧飛行場」と言うのが昔あって、そこが「特攻隊」の基地だったらしい。
で、ずいぶん前にある知人から復元費用の問い合わせを受けたんだけど・・・・
「一般的な話」と言うことで、具体的な内容に聞けなかった。
どうもその人も他の人から聞かれたから、うちに問い合わせただけだったんだけど、後日その人から、「具体的な内容」を聞いたら「知覧特攻平和会館」に展示されている「特攻隊員の手紙」が復元対象だったらしい・・・・
もしあの時、具体的な話を聞いていれば、たとえ赤字であっても僕は喜んで受けたんよね・・・・
その後僕は実際にそこへ行き、それらの手紙を見たんだけど、確かにかなり薄くなって読めなくなったものがあったり、手紙をコピー機にかけて、「少し濃くした」ものが展示してあった。
なんで僕がたとえ赤字であっても、それをしたかったか?
特攻隊員は「お国のため」とか、「家族のため」と言う大義名分のもとに飛び立っていったとしても、「本心」として好きで死んでいったわけでもなく、「悔しい思い」が彼らが残した手紙にはいっぱい詰まっているわけよ・・・・
その彼らの「想い」は決して朽ちさせてはいけないものなんよ・・・
結局、軍の上層部や天皇により殺されたのと同じなんよ・・・・
だからこそ、僕は「誰かがやるべき仕事」だから、僕は対価を求めずにでもやりたかったんよ・・・・
それってけっして「朽ち果てて」終わりにすべきものじゃないし、こんな話、綾には理解できないだろうけど、僕は「意識」とか「想い」って朽ちることなく、物質にも宿っていると思うんだけど・・・・
これって決して「非科学的」な話ではなく、例えば我々が手で触れる金属の板でさえ「物質は突き詰めると原子の周りに電子がまわっているだけの世界となり、それらの物質の空間に占める割合は「10億分の1」と言う密度だと言う。」
つまり「隙間だらけ」なんよ・・・
だからその隙間に「想い」だっていくらでも宿れるわけよ・・・・
もう一つ・・・・
「2020/4/20」にとある自衛官から、「問い合わせフォーム」に1通のメールが入った。
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初めまして、こんにちは。
●●と申します。現在、太平洋戦争の激戦地として有名な航空自衛隊硫黄島基地隊で勤務しております。
昨日、戦時中に使用していた地下壕にて、文字の書かれた木片(木箱の1片?)を収容しました。墨で書かれた文字ですが、腐食が激しく読めません。木片の両面に文字があり、片面は「何きつ 島国 我等 護らん」とあります。もう片面は「上………」しか読めません。もしこれが名前であった場合、御遺族のもとに返せるかもしれないと思い、このメールを送らせていただきました。硫黄島において散華した約2万名のうち収容された遺骨は約1万柱に過ぎません。せめて直筆の木片だけでも自宅に返せたらと思っております。名前である可能性は低いかもしれませんが、一応写真を送らせていただきます。まずは腐食の程度を見ていただき、判別可能か難しいかご教授願います。
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綾は当然「硫黄島」と言う言葉すら知らないと思うけど、戦時中に日本軍と連合国軍との間の激戦地と言われていて、数万人の日本人兵士が戦死しているらしい・・・
それについては、クリントイーストウッド監督のハリウッド映画「硫黄島からの手紙」と言う秀作があるんだけど、こんな偉そうなことを言っている僕でさえ、硫黄島が日本の領土だということも知らず、「外地」だと思っていたんだけど、どういうわけかこのメールをもらって、「日本の領土であり、今でも自衛隊の基地があり、駐屯している人が居る」と言うことを知った。
で僕は
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●●さん
(資)文化財復元センターの大隈です、問い合わせありがとうございます。
硫黄島には自衛隊の基地があるのですか・・・・
問い合わせの件、できるだけ協力したいと思います。
で、もう画像は送っていただいたのでしょうか?
こちらにはまだ添付メールが届いていません。
できれば全体の裏表の写真、そしてその文字の部分のアップの写真等、出来るだけ大きな画像で送ってください。
(資)文化財復元センター おおくま
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と、返事を返したんだけど、その後画像がメールで送られてきた。
本来、うちの画像による文化財復元って、実物を送ってもらい、それをうちで特殊撮影することで、見えないものが見えてくるんだけど、さすがに硫黄島から実物は送ってこれないので、撮られた画像から、「可能な限りの復元」を試みた。
で、その結果
と言う画像を彼に送ったんだけど・・・
ついでに文章で「木板に書かれていた文字は、たぶん「上庄川千寿雄」さんではないでしょうか?」と送ったわけ・・・・
ただ『「宝」「住」などの可能性もあります。』とはつけくわえてあったんだけど・・・
で、彼は「戦没者リスト」で名前を調べたらしい。
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前略
「大切なモノ」
現在、硫黄島戦没者リスト(添付写真参照、全部で25頁)を様々な角度で確認中です。戦没者約2万人。上庄川の名字をひたすら探すにあたり、改めて気づきました。どれだけ多数の方が亡くなった事か、と。私は今、2万分の1を探してますが、その裏には2万分の2万に大切な家族がいて守りたいモノがあったはずです。2万人がどのような気持ちで戦闘に参加し無念の死を遂げたのか。今、私の大切なモノは「25頁にわたる戦没者の氏名ではなく、25頁にわたる戦没者の方々の想いを想像し忘れない事」です。今、涙ながらにリスト見てます。
早々
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と、返してくれたんだけど、結果として
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おはようございます。
「川手安雄」
という名前を見つけました。
出身は、長野県です。
上宝?上庄?上住?は地名なのか確認中です
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と、言うことらしい・・・・
でまた
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初めの2文字目が「主」であれば
「上主」
となり、海軍の階級にぴったり当てはまります。
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と言うことで、上の文字は「階級」を表していたらしい
まぁそんなわけで、僕の復元が大正解とまではいかなかったけど、とりあえず役に立ったという話。
もちろんこの復元は「無償」でやったものであり、これって「不労所得」の逆だよね??
仕事はしたけど、お金をもらってないから「有労無所得」とでもいうべきかな・・・・
くまさん
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