先日よりいろいろとポリライトがらみの話をしているが、私がもともと最初にポリライトの存在を知ったのが、NHKの「よみがえる源氏物語絵巻」の特別番組だった。
ちょうど私が、デジタル画像による復元を始めて試行錯誤しながら手がけたのが、2000年の話であった。
当時私は文化財関係に無知であったし、私でもデジタル技術を使って復元出来たくらいだから、当然専門家の人が居て、もっと大々的に行われているものと思い、ネットでいろいろと検索をしてみた。
しかし皆無と居える状況で、私としても資料が無いことに気がついた。
その後「赤外線撮影」なども資料を探すものの、日本語で書かれたものが非常に少ない状況でした。
たまたま知人が埋蔵文化財の仕事をしていて、「赤外線撮影」に関しては結構詳しいらしく、もっぱら彼から情報を仕入れていた。
それから2?3年間、私としても試行錯誤でデジタル復元を手がけていた時、ちょうどこの番組が特別番組として大々的に放送された。
さすが、これが国宝を手がける最先端のデジタル技術か!!と感心しながらも、高価なデジタル機器をふんだんに使われているさまを見て、涎がこぼれる思いであった。
その中で「可視光域蛍光撮影法」と言う、聞きなれない言葉を耳にした。
「蛍光撮影」って当時の私の知識では「紫外線域」に置いて発生し、それを可視光として真っ暗な中で撮影する方法として知っているものの、実際にやってみたがさほど効果は上がらなかった。
そんな「蛍光作用」が「可視光線域」でおきているはずなど無い・・・・
そう思いながら見ていたものの「警察用特殊ライト」ってどんなものなのか?
興味は沸いたものの、どうせ高いだろうと思い調べもしなかった。
そんな部外者として見ていたあの番組を、もう一度見て見たいと思うのだが、最近は再放送をされない。
ネットで調べると「DVD」としてセットで販売されているらしいが、やはり1セット買うと結構高い。
そんな話を関係者としていたら・・・・
「最初の分は関係機関からビデオを貰った」という話が出て、それをお借りしパソコンに取り込んだ。
2時間番組でさすがに長い。
で、その番組中に随所に「可視光域蛍光撮影法」が出てくる。
当時は漠然と聞いていたものを、もう一度ポリライトの操作と照らし合わせながら「再確認」して見た。
肉眼では見えない赤い着物の柄が見えたり、ほとんど消えている秋草が見えたり・・・
あの番組を最初に見た当時、「すごい・・・・」と同じような事を手がけるものとして唖然としたことが、今自分もそれを利用する立場となった。
ただ、文化財の調査に使われているのは日本だけらしく、それを切り開いたのは東文研の彼らしい・・・
本来私は人の真似はしない主義であるが、しかしながらポリライトの可能性は信じているので、まずは先駆者の仕事をじっくりと見せてもらうことにした。
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