私が生まれ、そして幼少のころ暮らしていたのは、福岡県の朝倉市になってしまった「甘木・水町」という場所であるが、一家で引っ越し田舎には誰もいない。
ゆえに私は今まで帰ってみたいとも思わず、50年という月日が過ぎた。
この復元という仕事を初めて14年の月日が過ぎ、私も過去に興味を抱き、2年ほど前に一度通りすがりに寄って、生まれた場所を探してみた。
ちょうど近くに「甘木歴史資料館」があり、そこで地図をコピーしてもらい、それを片手に探したのだが、見つからなかった。
今週、近くへ行く機会があり、またその資料館へ行き、事情を説明すると、職員の人が車で近くまで送ってくれ、その地元の人に「この近くに小さい権現さんがありませんか?」と尋ねた。
当時の記憶で、子供なりに家の前の路地に何やら小さいお宮があったことを記憶していた。
地元のおばあさんは、それを記憶しており、2年前に探した場所より、道路を挟んだ反対側にそれはあった。
やっとのことで探し当てた、わが暮らした家の跡地。
もう10年ほど前に、ちょうど甘木に住むメル友にその話をしたら、その場所を訪ねて写真を送ってくれていた。
その写真も行方不明なのだが、10年前は我が家の朽ち果てた残骸がまだ残っていた。
しかし、現在はそれも片付き、草地と化していた。
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