2009年の作品らしい・・・
沖縄の小島が舞台なのだが、そこでユタと呼ばれる神の声を聴くオバァと、二人で暮らす青年がいた。
そのオバァと実際の血の繋がりはないらしいが、青年の母親は青年を置き去りにして、本土の人と「駆け落ち」をしていた。
その子供の頃の心の傷が癒されないまま、大きくなった青年は、島の仲間と本土視察に行き、ある神社に絵馬を残した。
その絵馬には「お嫁に来ないか」と、書き、島の名前と自分の名前を記した。
カフーとは、飼い犬の名前でもあるが、実は方言で「幸せ」をも意味する。
ある日突然、見知らぬ女から手紙が届く。
そこには「絵馬を見ました」そして「お嫁にしてください」と書かれていたが、青年は本気にしなかった。
ところが彼女は実際に島にやってきて、彼の家に居つく。
彼女の名前は「幸」・・・
ものすごく美人であり、島の男どもは彼女を取り囲むのだが、彼は彼女に求婚する勇気が無かった・・・・
彼女には、隠していた過去がある。
以前に不倫をしたこと、そして他にも・・・・・
そのころ、島では観光客誘致のための施設建設の話が有り、青年は反対派なので、建設を計画している会社は、彼を取り込むために「嫁を世話する」作戦を立てる。
その話を知った友達と青年は、その美女がその会社の回し者だと誤解し、彼女を追いだした。
青年はその後、そうではないことをしり、悔やみ、生活が乱れる。
実は彼女は島を去る時に、「大事なあずかりもの」を返すために来たと置手紙をしていた。
そこに書かれていたのは、その青年を島に残し、駆け落ちした男にはその時親戚に預けていた「4歳の娘」がいた。
その娘を、二人で引き取り暮らすのだが、数年でその駆け落ち相手の男はなくなり、その娘と二人暮らしとなる。
青年の母親は、自分が島に残した息子の話を、その娘に話しており、母親はその息子からもらった「プレゼント」のことがずっと気になっていた。
それは島の特殊な樹の枝で作った首飾りなのだが、ユタであるオバァはそれを島の外に持ち出してはならぬと言った。
つまり、持ち出せば何か悪いことが起きると言う。
結局5年前に、その娘を育てた、その青年の母は他界した。
その娘にも身内もなく、不倫相手の子を宿したが、相手から無理やり降ろされた。
それでも彼女はその男が戻ることを待っていたが、結局戻らなかった。
そんな悲しい一人ぼっちのその娘は、ある時、神社で「お嫁に来ないか」と言う絵馬を見つけた。
娘は、それが母親の息子であることに気が付いた。
そして、娘はその青年に、先ほどの手紙を書き、島を訪れた・・・・
二人は、惹きあうのだが、彼女は島に残りたいと言うが、青年は自信が持てずに彼女を追い返した。
なんか、ありそうでなさそうな「偶然」の話なのだが・・・・
だからこそ、そこにはシンクロニシティつまり『意味のある偶然』が働いて、娘を育てた母親と、母親が島に残した実の息子の「縁」を「神」は結んだ。
彼女を追い返した青年はそれを知り、悔いるが、彼女の住所を知らない・・・・
ところが青年は本土へ彼女を探しに行く。
唯一の手がかりは、その絵馬を青年が収めた神社。
そこへ青年が着いたとき、すでにそこには彼女からの絵馬が掛かっていた。
彼女と巡り合わないまま、青年は帰りの電車に乗った。
ところが・・・・
その電車には『意味のある偶然』として、彼女も同じ車両に乗り合わせていて、ラストには二人は結ばれる。
こんな「偶然」、たまたま2度も起きるはずがなく、『意味のある偶然』とは、言い換えれば「必然」であり、結ばれるべきして二人は結ばれた・・・
(資)文化財復元センター おおくま
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