私が好きなもう一本の中国映画である。
たぶん10年ほど前に、夜中に見たような気がする。
最初はこれも映画とは思わず、なんかとても一途な村娘なやぁ・・・・と思ってみたことが有った。
当時うちには二人の研修生の女性がいて、この話をしたら、一人はその映画を知っているらしく、有名な映画だと言っていた。
それからたぶん。もう一度くらいは見たような気がする。
物語の始まりはモノクロの画面で、都会に暮らす息子に、故郷の村の村長から電話がかかった。
村長は父が亡くなったと言う。
慌てて息子を雪の中を、4WDの車で帰るのだが・・・・
村に着くと村長が、小学校の教師であった父親が、校舎の建て替えを強く希望して、金策に駆けずり回り、倒れたらしい。
遺体は、街の病院にあるが、母親は遺体を持ち帰るのに、車ではなく、みんなで担いで帰ることを、強く希望した。
父親一途の母親だったが、そのいきさつを息子が語りだし、そこからはカラー画面に代わる。
母親が18歳だった時に、父親は街から小学校の教師としてやってきた。
住まいは役所だが、食事は村の家々の持ち回りとなった。
母親はその教師に一目ぼれし、それから一途に心を込めて当番の食事を創り、そして生徒を送り届ける姿を毎日遠くから眺めた。
いずれ、顔が会い、互いに心を通わすようになるが、母親の母親は、身分が違うから諦めさせようとしたが、一途に彼のことを思い続け、一度街に帰った彼を待ち続けた。
それを知った彼は、内緒で村に戻り彼女と会うが、翌日彼は街につれ戻され、その後2年間互いに会えないまま、最後は夫婦となり、息子が生まれた・・・
その父親が亡くなるまでの40年間、母親は父親一途の人生で、父の死をとても嘆き悲しんだが、街から村へ遺体を担いで帰るのに、父親の教え子100人が駆け付けた・・・・
この映画を見ていると、純真な母親の若いころの姿に、思わず涙がこみ上げた。
大和撫子でなくても、一人の男を思い続ける一途な女心に、国境はない。
また、教え子に慕われる教師の姿にも、国境はないが、はたして今の日本にここまで教え子に慕われる教師は、何割いるだろう?
たぶん、一割や二割くらいではないだろうか??
主演のチャン・ツィイー・・・・
今では考えられないほど、純朴な村娘を演じている。
(資)文化財復元センター おおくま
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