1-復元系

②-復元技術

蛍光X線分析

この復元に置いて、当社が大事にすることは「先人の思い」であると、常に述べており、文化財の価値は物質に非ずと唱えているものの、多くの専門家と考えを異にしている。  さりとて、わが社も「分析」がまったく無意味というわけではなく、分析でわかること...
①-復元例

嵐山・法輪寺の虚空蔵菩薩像

2007年から2008年にかけての話である。この復元の対象物の多くは、社寺などの宗教関係の所有物である。12年前にこの仕事を始めた当初は、新しい技術であり、すぐに普及するものと考えていた。しかし、なかなか普及せず苦慮しているのだが、もともと...
①-復元例

蓮如上人御真筆掛け軸

2007年の話である。二月の初めに福井県あわら市の浄土真宗・本願寺派「吉崎別院」より、伝「蓮如上人御親書の掛軸」二幅の復元依頼をうけ、約一ヶ月間をかけ原寸大で高精細レプリカ用の、「デジタル画像による復元」作業を行つた。掛け軸であるが、現状は...
②-復元技術

「なにわの名工」と「現代の名工」

この「デジタル画像による文化財復元」は、読んで字のごとく「デジタル」を用いる。ただ、コンピューターを使った復元というと、多くの人は、どんなものでもキーボード一つたたけば、あとはコンピュータが自動でやってくれる。そう思われるが、現実はまるで違...
①-復元例

勝手神社 奉納額

かれこれ、6~7年前の話である。インターネットの当社のホームページに問い合わせを頂いた。問い合わせを頂いたのは、山梨県にある「勝手神社」の関係者であった。全国に「勝手神社」は二つしかなく、その一つで、武田信玄所縁の神社だという。行ってみると...
①-復元例

書面の復元

今年の話題である。この技術はもともと警察の鑑識などでも用いられてきたもの。数か月前に、ある問い合わせメールが入った。消費者金融の裁判関係の担当者らしく、先ほどの「領収書の復元」を、ネットで検索中に偶然見つけたとのこと。つまり、彼は「過払い請...
①-復元例

正岡子規の愛した女

NHKの年末の特別企画「丘の上の雲」も 今年で3年目となる。その登場人物の一人が、正岡子規である。奈良にご子孫が居られ、資料を持っておられるが、写真アルバムの中に「正岡子規が愛した女性」ではないかと話題になった写真がある。ところが名前がわか...
①-復元例

古い領収書の文字

これも古い話である。復元技術の中に「蛍光撮影」というものがあると述べたが、本来「蛍光」とは、ある物質に紫外線を当てると、その物質が光を発することがあり、それを蛍光と呼ぶのだが、近年、紫外線は物質を劣化させる恐れがあり、文化財の世界では嫌われ...
①-復元例

瀬戸黒茶碗・箱の裏書

これもずいぶん以前のものである。これはNHKで取り上げられた後の作業であるが、よく茶碗の箱には「裏書」というものがある。それが真贋判定の一つの手がかりとなる。この箱には「瀬戸黒茶碗」が入っているとのこと。現状では、和紙にちりばめられた銀の短...
①-復元例

蒔絵の絵馬

これも、ずいぶん以前の話である。ある神社に奉納されていた「蒔絵」で描かれたと思われる絵馬である。現状はすでに描かれたものはほとんど消え、わずかにその痕跡が確認できる状態である。  さすがに赤外線は役に立たず、当時はデジタルカメラの画質は現在...
①-復元例

和算の絵馬

これもずいぶん以前の話である。兵庫県のある神社に残る「和算の絵馬」であるが、御覧のように現状ではほとんど何も見えない。先ほども述べたが、板に書かれ、墨が落ちてしまうと、赤外線ではほとんど何も見えない。しかし、最初の技術説明にもあるが、「遮光...
①-復元例

伝・狩野探幽の掛け軸

ずいぶん以前の話である。テレビのニュース番組の特集を見た一般人からの話であったが、依頼者は中年の男性であったが、その所有者は、その人の母親であった。どうもそのご主人が知人から購入されていたらしく、現状の画像を見るとわかるがずいぶんシミがあっ...
①-復元例

60年前の家族写真

最近マスコミで多く取り上げられるが、しかし以前より反応が少ない。  もう7~8年前になるが、同時期にたまたま「関西テレビ」と「NHK」の取材が続き、そしてそれは同時に、放送も同じ日の夕方のニュースの中の「特集」として取り上げられた。  翌日...
②-復元技術

デジタル復元に使われる技術について

「デジタル復元」という言葉は、時々マスコミで取り上げられる。7年ほど前にNHKのニュースで、初めて僕の技術が紹介された時、 アナウンサーは「CG」という言葉を使った。しかし、それは間違いであった。つま り、「CG」はコンピューターで描かれる...
③-復元・その他

復元の始まり

「デジタル画像による文化財復元」という言葉は、多くの方にとって、耳慣れない言葉だと思う。もともと「写真」の仕事を長年やってきたが、デジタルの普及は、写真をはじめ印刷関係などで、多くの専門職を奪う形となった。約17年ほど前にPower Mac...