この復元に置いて、当社が大事にすることは「先人の思い」であると、常に述べており、文化財の価値は物質に非ずと唱えているものの、多くの専門家と考えを異にしている。
さりとて、わが社も「分析」がまったく無意味というわけではなく、分析でわかることは、物質に関することであっても、「一部」の情報しかわからないと思っており、「分析すらしないものは復元とは言えない」とまで言われることに、非常に反感を感じている。
しかしながら、国の補助金を使われる研究者と違い、わが社は民間の弱小企業であり、とても高価な分析器など導入する予算を持たない。
また、一つの復元にかける費用は、研究目的で行うものに比べ、一桁も二桁も低い。
そんな理由もあり、分析器を導入できない面もあったが、今回京都府の「知恵の経営報告書」の知財活用企業の認証を得たのを機に、300万円の補助金を申請した。
すると、それが全額認められ、自費負担分と含め500万円の「蛍光X線分析器」を導入した。
「虎穴に要らずんば虎児を得ず」の喩のごとく、「分析もした復元」として認めてもらおうと、一つの報告書を作った。
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