けじめをつける・・・・(再掲 2014.12.30)

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数日前に、個人から復元の依頼を受けた。
 
病院のカルテに、消された部分があり、それを何とか読みたいと・・・・
 
テレビドラマなどでは、医療ミスを隠ぺいするために、カルテの改ざんをすると言う話が有る。
 
なにか依頼人にとっては、そのカルテに記されて、そして消された部分に対し、どうしても知りたい気持ちがおありの様。
 
電話で問い合わせがあり、実はそのカルテとは、現物ではなく「コピー」だと言う。
 
 
 
一般の方には理解できないと思うが、わが社の復元技術は本来「実物に残る痕跡」を「視覚化」することで、当時の姿を「画像として復元」するものである。
 
それは可視域では見えなくなっていても、「可視域外」には残された「情報」がある可能性がある。
 
ところが、それを「コピーしたもの」となると、その可視域外の情報がコピーされている可能性はとても低い。
 
 

 
だから、復元は難しいのだが、しかしコピーにも若干の情報がコピーされていたりする。
 
今回、赤外線や紫外線などの撮影をしたが、やはりほとんど現状画像と変わらない・・・
 
本来、その時点で諦めるのだが、夏に「新報道2001」でもそうだが、わが社の技術は「前例」のない状態から「試行錯誤」により積み上げてきた技術であり、一つの技術ですべてが復元できるわけではない。
 
そこで、まったく新しい発想で、何度か試行錯誤をして、「残った情報」の再現に成功した。
 
それを送ったのだが、感謝されて電話をいただいた。
 
実はいくつかの文字が記された形跡はあるが、しかし完全に判読できるのは最後の一文字だけだった。
 
申し訳ないとは思ったが、しかし依頼人は「それで十分」と言われた。
 
 
最初に送られてきたカルテのコピーと一緒の手紙には、カルテは「2009年」のもので、そのコピーは「20013年」に渡されたモノとの事。
 
内容は私には理解できないが、依頼人にとっては、その「消された部分」がずっと気になっていたものと思う。
 
それが、結果はどうあれ、一部分でも読めたことで、気持ちの「けじめ」がついたものだと思う。
 
この仕事には、そういう面もあるわけだ・・・・
 
(資)文化財復元センター  おおくま

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