どうもこの本も前作と同じ様に思える。
私自身は無意識や潜在意識と言えば、もっと幅広く研究されているものと思っていたら、やたらと研究者は狭い分野に限って研究されているようで、「意識とはなんだろうか?」という題名だったから、意識そのものについて知識が得られると思ったら「知覚の錯誤」という分野に限った話がほとんどである。
著者は私と同年代の様だが、前作の『「サブリミナル・マインド」潜在的人間観のゆくえ』が1996年、この本が1999年に出されたようである。
『「無意識の構造」河合隼雄・著』が1977年だから、それよりは20年も後に出されたものであるが、見ること、聴くこと、触ること、総じて知覚することが人の心のはたらきの基本だと言う。
そして近くの錯誤を「イリュージョン」と言うらしい・・・
最近、このイリュージョンと言う言葉は耳にしていたのだが、マジックの大掛かりなものを指すことが多いが、もともとこういうところからきていたわけだ。
またこの本も錯誤の話がおおく、私は若いころ絵を描いていた関係で、視覚の錯覚と言うことには知識があるが、形の問題以外にも、色に対しても、例えば色眼鏡をかけても、目が慣れてくると、その色の偏りが補正されると言う。
まぁ、そんな話に興味がある人には、面白い話なのだが、現在の私は求めているものが違う。
でこの本の中に「すべての記憶は脳内のどこかに完全な痕跡として残っている」とあるのだが、確かに学者は確かと思われるものしか認めないらしいが、この本は1999年に出されているが、今年2014年には『「プルーフ・オブ・ヘヴン 」 エベン・アレキサンダー著』と言うのが出ており、この著者は優秀な脳科学者だが、自分が臨死体験をしたとき、脳死状態であったにもかかわらず、その間の記憶があり、またその間に「天国」を体験したと言う。
現在は、、最先端科学者「ロバート・ランザ」教授により「死後の世界はあり得る」という説を唱え、それが今科学者の間でも支持されつつあるという。
「意識が先にあり、宇宙を創った」とまで言われているらしい・・・
そんな時代に「脳が記憶する」と言うのは、いささか時代遅れともいえる・・・
結局のところ、この本も私の求める情報ではない様で、後半も少し読んだが、また本を閉じた。
「潜在意識」と一言で言っても、精神世界の引き寄せ関係の本は随分あるのだが、どの本もほとんど同じ内容で、肝心な「潜在意識」そのものについての記述がない。
かと言って、学者の本は、またそういう引き寄せなんか、見向きもしない。
両方を繋ぐ、間の知識を求めているのだが・・・
別のキーワードとして「ユング心理学」の方が、「集合的無意識」や「共時性」について書かれているだろうと、入門書3巻も注文してあり、そちらを期待するしかないかぁ・・・
(資)文化財復元センター おおくま
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