先日「大地の子」を紹介した。
このドラマも、NHKで放送された「残留日本人孤児」をテーマにしたものである。
このドラマは以前にテレビで見ている。
その時も感動したが、今回は「大地の子」同様に、見ていて何度も涙がこぼれてきた。
感動の涙と言うより、彼ら中国に取り残された日本人孤児が、いかに中国で差別され、苦労をしてきたか?
そして、確かに孤児のほとんどは「「労働力」として養われ、苦労をしてきたものが多いのだろうが、中には「心優しい中国人」に育てられた、少ないかもしれないけど、恵まれた人々もいた。
とはいっても、その人たちでさえ、今の我々の世代に比べると、比べ物にならない苦労をしているし、またそんな日本人孤児を育てるためにも優しい中国人自身が、どれだけ周りから差別され、どれだけ貧乏しながら、血の繋がらない日本人の子供に愛情を注いてきたか?
それを思い知らされ、涙がこみ上げてならなかった。
確かに中国や韓国とは「国民性」や「常識」が違う。
しかし、どんな国のどんな人々にだって「真心」を持った人はいる。
その真心は世界共通である。
また、真心を持つものほど、多くの苦しみを受けている。
このことは、文化財の世界にも言える。
残された「物質」に価値があるのではなく、それを創った「先人の思い」こそ、残すべきものである。
そう、現代の世の中、科学が発達し、生活は楽になったが・・・・・
人の「精神性」は、「楽」をすればするほど堕落する。
現代人は精神的に決して「進歩」などしておらず、先人に比べると明らかに「退化」している。
だからこそ、その先人の思いを復元してでも「精神性」として、次の世代に受け継がせなければ、人はどんどん退化して、いずれ自滅するのではと、私は危惧している。
(資)文化財復元センター おおくま
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