「赤い靴」αビデオ

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この映画、1948年制作のバレエ映画である。
 
つまり60年近く前の映画であるが、私はこの映画には興味が有った。
 
私は若いころに、「舞台写真」をライフワークとしていた時期がある。
舞台と言っても、演劇ではなく「踊り」なのであるが、私の別れた女房も趣味で長くフラメンコを踊って居たし、知り合ったのもバリ舞踊の発表会だった。
 
当時、アングラ舞踏から始まり、朝鮮舞踊や、能、バリダンス、インド舞踊、フラメンコなどの民族舞踊を特に撮っていたが、バレエは一度だけ行きつけの居酒屋で知り合ったバレエ教室の先生の発表会を撮ったことがある。
 
ただ、民族舞踊とバレエは随分違う。
民族舞踊は、どちらかと言うと「地を踏む」と言うものが多く、バレエは爪先立ちで、飛び上がる感じのもの・・・・
 
 
どちらかと言うと、もともとアングラ舞踏から入っているから、民族舞踊の方が絵になりやすい。
 
 
実は若いころに「宝塚歌劇」のグラフを出している会社の、カメラマン募集に応募して、歌劇の練習を撮ったこともある。
 
 
そんな経験もあり、舞台写真には興味があるのだが、実は私がこの映画に興味が有ったのは、もう20年ほど前の話だと思うが、この映画は「モノクロ映画→カラー映画化」されたと聞いていた。
 

私は写真の世界に長いが、撮影ではなく、モノクロプリントを焼いていたし、仕事でカラーのプロラボでプリントしていた時期もある。
 
その時期に、カラー写真の補正についていろいろと学んだし、よく素人が「モノクロ写真をカラーにできますか?」とたずねるのだが、私ははっきり「不可能」だと言う。
 
にもかかわらず、巷には「カラー化」されたと言われるものが出回っている。
 
しかし、モノクロフイルムには、もともと時代とともに「感色性」がいくつも変わっている。
印画紙も同じように、種類があり、それらを何の「人為的作業」を抜きにしての「カラー化」は、あり得ない。
 
 
つまり、人が意図してその部分に色を付ける「人着」と言う方法しかありえない。
 
にもかかわらず、写真ならともかく映画でそれをやろうとすると、とんでもない作業になる。
 
そんなわけで、どの程度の仕上がりなのか?が知りたかった。
 
 
 
ところが、先日からいろいろと調べると、この映画は元々カラー撮影されたものらしい。
当時は3原色に色分けされ、モノクロフィルムに記録されていた。
 
それを2006年から「修復」作業がされ、2年かけて当時の色が復元されたと言う。
 
どうも私が昔聞いていた話は「デマ」ということになる。
 
 
そのデジタルリマスター版を見たのだが、確かに赤い靴を履いて踊るシーンは、靴が鮮やかに復元されているが、しかしライトのあまり当たらない部分は、やはり当時の技術ではほとんどモノクロとして表現されていた。
 
結局、私が興味があるのはこの件だけだったので、結局そのバレェシーンが終わった半分くらいのところで、鑑賞を止めた・・・
 
(資)文化財復元センター  おおくま
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①-読書録
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