「船を編む」と言う、変わった題名であるが、何かの編み物かと思うと、辞書を創ることを言うらしい。
とても地味なストーリーだと思う。
唯一の盛り上がりは、主人公の馬締(まじめ)が、下宿屋のおばあさんの孫娘の「かぐや」に恋をして、告白するまでの間かなぁ・・・
それでも、とても地味な盛り上がりなのだが、主人公も真面目一筋の馬締(まじめ)であり、そのかぐやも少し変わった女料理人である。
淡々とストーリーは展開するが、かと言って、見ていて退屈すると言うほどでもなく・・・・
しかし、一冊の辞書を創るのに、十年も二十年もかかるとは知らなかった。
実は易経は元々中国だから、漢文が本来であり、漢和辞典が必要らしく、私も2冊ほどAmazonで古本を注文した。
二冊とも新品同様で、まったく痛んでいないのに、もともと1冊二千円前後のものが、送料を入れても二冊で七百円を切っている・・・・・
とはいえ、漢和辞典にしても、各社いろいろ出しているし、とても種類が多い。
その中から、レビューを見ながら、コストパフォーマンスの優れたものを選ぶ。
そんな現状で、新しい辞書を一冊編集するということが、どれだけ大変な事なのか?
この映画は教えてくれる。
私の文化財復元も根気のいる仕事で、研修生の応募者にはまず、写真の復元の作業を体験させる。
それも画像の「ドット」一つ一つを根気よく、修正する作業で、これをさせると性格が解るし、向き不向きが一目でわかる。
人って、根気よく同じ作業を繰り返せる人と、くり返せない人がいる。
ましては、延々と同じことを繰り返すと、それに「はまる」こともある。
よく、「人の痛みが解るようになりました」と言う人がいるが、そんな事、真っ赤なウソ・・・・
人の痛みと快感は、紙一重であり、苦痛だって限界を超えると、快感に変わったりするから「SM」なんてなものが存在する。
この「船を編む」と言う作業も、多分似たようなところがあるのだろう・・・・
これはこれで、やっている人にとっては「快感」なんだと思う。
(資)文化財復元センター おおくま
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