続けてみた2本目だが、2004年のスウェーデン映画だと言う。
元々テレビでしか映画を見ることがないが、スウェーデンの映画なんて記憶にない。
主人公は天才指揮者なのだが、例にもれず、子供の頃ずいぶんといじめられ、故郷を去ったと言う。
その後大きく成功し、有名な指揮者となるが、打ち込むあまり、心臓発作をお越し、現役をリタイヤし、田舎暮らしを始めた。
その彼が選んだ田舎とは、実はいじめられて去った「故郷」であったが、彼の身内は母親だけだったが、すでに事故で亡くなり独りきりとなって、故郷に戻った。
彼は廃校になった小学校を買い取り、そこで生活するのだが、音楽家となった時、名前を変えているので、地元では彼のことを誰も知らない。
彼は音楽活動をやめて、ただ「聴く」ために田舎に帰ったが、結局地元の教会のアマチュアコーラス隊の指導をすることとなった。
コーラス隊と言っても、本当の素人ばかりの地元の人なのだが、コーラスの指導よりももっと基礎的なトレーニングから始め、最初はみんな戸惑うが、いずれ男も女も彼を慕うようになる。
とは言っても、保守的な田舎のことなので白い目で見る人たちが多く、特に教会の牧師は彼のやることを誤解し、ここでもまた「ふしだら」な人だと決めつける。
本来一番心の広いはずの牧師が、実は嫉妬心がとても強く、一番心が狭い人間であるのだが、逆に牧師の奥さんはコーラス隊の一員で、主人公を尊敬し、慕うのだが、牧師はそれを邪推し彼を追い出そうとしたとき、牧師の奥さんはみんなと楽しく酒を呑み、ダンスをして帰宅すると・・・
牧師 「何をした!」奥さん 「私は何も・・・・」牧師 「胸をはだけて何もなかったと?」奥さん 「少し酔ったから」牧師 「けがれた罪悪だ」「お前は罪を犯した!」「それも聖なる教会で!」それを聞いた奥さんは・・・・奥さん 「言いたかったことを言うわ」「20年間胸に溜めていたの」「”罪”なんてなものは存在しない」「貴方は自分の頭で罪を創っている!」「罪は存在しない」牧師 「”罪は存在しない”?」「何を言う!」奥さん 「教会が創り上げたのよ」奥さん 「人々に罪の意識を植え付けて—-」「その後ありがたくも贖罪を施す」「すべて権力を得るためのまやかし!」牧師 「黙れ!」「神に許しを乞え」奥さん 「神は罪を問わない」「だから許しも必要ないわ」牧師 「黙れ!」奥さん 「謙虚に!」牧師 「私は謙虚だ!」すると奥さんは本棚の奥から、牧師が隠していたポルノ雑誌を差し出す。奥さん 「私が知らないと?」「ずっと前から知っていたのよ」「セックスの前に見てた」「黒の靴下の女 革のブーツ ハダカのお尻」「刺激を求めても構わない」「でも人を非難しないで」牧師 「神が聞いておられるぞ」奥さんは笑いながら・・・・奥さん 「そして笑っているわ」「性を罪悪とした教会をね」「肉欲は人を傷つけるものじゃない」「私たちも何回かセックスを楽しんだ」「オーガムズは共にしていないけど」牧師 「やめろ・・・」奥さんは牧師の名を呼び奥さん 「愛しているのよ」「ずっと・・・・」「でも押さえてきた」「今迄はね・・・・」「言葉にせず」「心の思いを殺してきた」
と、言って牧師の服を脱がせる・・・・・・・・
と、この映画、ずばりと牧師の奥さんに、「宗教」の痛いところを突かせる。
しかし心の狭いものも、他に多くして、メンバーの一人の男は、小太りの男をからかう。
その男、昔からその小太りの男をいじめていたらしく、とうとう小太りの男は耐えかねて殴りかかり、子供の時からいじめられたとみんなの前で話す。
また主人公は他の女性メンバーからも慕われるが、、旦那はDVで事あるたびに女房に暴力を振るっていた。
実はこの旦那、主人公の小学生時代の集合写真に写っている同級生だった。
最後はそのダンナも主人公を邪推し、「女房と寝た」と決めつけ、湖で水に浸かっている主人公に暴力を振るい、DVで施設送りとなる。
そして、メンバーの中で少し小柄で色白でかわいい女性は、よく彼氏を変えていて、村の人々から「ふしだらな女」とみられていたが、実は一番誰に対しても「無償の愛」を注げる性格で、メンバーの中の知恵おくれの男にも優しく接していた。
結局は彼女が本当はふしだらな女ではなく、村で一番「心の広い」人だった・・・・・
そんな内容なのだが、その芸術家の主人公は、人々を差別しないのに、一番差別意識が強く、嫉妬深く、心の狭かったのが「牧師」であった・・・・
これは世界共通だと思うのは私だけだろうか??
そんな、とても意味の深い映画であるが、この映画、はじめて海猿をも超える「霊的レベル」の高さを感じた。
(資)文化財復元センター おおくま
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