この映画、戦場カメラマン「一ノ瀬泰造」を主人公にしたものである。
最近テレビで「戦場カメラマン」とか名乗る、首からカメラをぶら下げた「もどき」のタレントが居る。
彼を見ていると、無性に腹立たしく思う。
なぜあんな奴がテレビでもてはやされるか??
要は「らしからぬ・・・・」から、テレビ局は面白がって彼を使う。
しかし、本当の戦争カメラマンは、彼のような性格では間違いなく生き残っていない。
「死」と隣り合わせで、あんな性格ではまともな写真などとれない・・・・
この一ノ瀬泰造も若くして、カンボジアやベトナムで「フリーカメラマン」として、命がけで写真を撮り、最後に「地雷を踏めばサヨマラ」と言う言葉を残し、アンコールワットをめざし、消息を絶った。
私は「写真」をやってきたが、写真は「真実を写す」と書く。
しかし写真は必ずしも真実ばかりを残すものではないし、私のように「表現の手段」として使うものもいるが、しかし「報道カメラマン」は、特に戦争のむごたらしさを写真に撮り、世界に発信する。
同じ日本人カメラマンで「ピュリッツァー賞」を取ったカメラマン「沢田教一」が居るが、彼も戦場で命を落としている・・・・
私にはとてもそこまで命を懸けて、戦場を記録する勇気はない。
ただ、それでも・・・・
この映画にも描かれているが、イデオロギーの違いから敵味方に分かれ争う。
敵を殺すのはもちろんだが、見方に対してもずいぶんとむごたらしい殺し方をするのが「戦争」である。
結局、人間なんて建前で偉そうなことを言っている奴ほど、実際は人としてむごたらしいことを平気でする。
そのあたりの事を、この実在のカメラマンを通して、美化することなく、我々に訴えてくるあたり、「俺は、君のためにこそ死ににいく」よりもはるかに霊的レベルは高いと思う。
またこの映画の監督、「サワダ 青森からベトナムへピュリッツァー賞カメラマン沢田教一の生と死」という映画も撮っているらしく、ネットで調べたが、ビデオは出てはいるみたいだが、Amazonでも手入らないし、ましては「ネット配信」になんか、マイナーすぎて入っていない・・・・
(資)文化財復元センター おおくま
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