私は若い頃から、物事に疑問を持つと「なんでかなぁ・・・」と、自問自答をした。
すると、時間が経って、その事を忘れたころに、フト!!その答えが閃いたり・・・
あるいは、気が付くと、答えが自分の中に有った。
その答えは、私の「知識」のないもので、そしてまたその答えは随分と巷の「常識」とかけ離れていたりした。
だけど・・・
かと言って、その答えが間違っていると思った事は一度もない。
解りにくいと思うが、我々の意識には「顕在意識」と「潜在意識」と呼ばれるものがあり、我々が普段ものを考えたり、覚えたりするのは「顕在意識」の中であり、「潜在意識」は顕在意識より、広いし深い・・・
なのに、人びとはそこをうまく使うことができない。
そこには人類共通の「過去の記憶」や「守護霊」「魂」「内なる神」などが住むという。
また、心理学者のユンクはそこの深いところに「集合的無意識」と呼ぶ部分があるという。
「集合的」とはどういうことか?
人は一人一人独立して歩くし、生活している。
しかしこれは「顕在意識」での話で・・・
実は人と人、あるいは地球上のすべて、または「宇宙のすべて」は、一つに繋がっているらしい・・・
つまり「人類皆兄弟」であり、そこには「対立」は無い・・・
つまり、私が自問自答をすると、答を返してくれるのが「人類皆兄弟」の「集合的無意識」が、答を返してくれたものだと思う。
逆に顕在意識は一人一人独立していて、「我」があり「欲」がある。
つまり「自分にとって得になる」考え方をするが、集合的無意識は「共存」するための答えを教えてくれる。
だから・・・私のものの価値観は、それに基づいている。
と、前置きが長かったが、この作品、実は2度目である。
この作品、最近のものであり2013年の公開だという。
にも書いたが、ナンパしたトルコの軍艦の乗組員を、島のみんなで助けた。
そのお返しは約100年後に、トルコ人が返してくれた・・・
今回の「飛べ! ダコタ」は太平洋戦争終了後に、イギリス軍の軍用機のダコタが、佐渡島に不時着した。
実話をもとに作られた作品らしい・・・
不時着したイギリス軍兵士を最初は警戒するが、しかし島のものが暖かくもてなし、そして離陸のための滑走路を島民がみんなで作り、ダコタを送り出した。
その中で、主人公の村長の娘は、海軍兵学校で足にけがをして戻った男を慕い続けていたが、男は心にも傷があり、彼女を受け入れようとしなかった。
また、その男の同級生は、遺骨となり島に帰る。
母親は海で自殺を図ろうとするが、それをイギリスの兵士が止める。
その遺骨になった息子はビルマで戦死したが・・・
実はその母親を助けたイギリス兵の兄も、同じビルマで戦死をしていた。
彼は「それが戦争だ・・・」と言うが、しかし彼も助けた母親も、結局戦争が無ければ、憎みあうことも無かった。
また、足にけがをした男は、ダコタを燃やそうとするが、彼女が止めた・・・
彼は彼女の気持ちを受け入れ、再出発の決意をした。
佐渡の人々と、イギリス兵は互いに理解しあい「どうしてあんたたちと戦争したんやろ??」と、島民は言う。
私がこの作品をまた見たのは、最近やたらと戦時中の日本軍の行動を美化する輩が増えたが・・・
それは本来おかしいと思う。
つまり戦場では互いに殺し合い、残虐行為をするのが戦争であり、片方だけが「鬼畜米」ではなく、相手から見れば我々日本人も同じことをしたことになる。
ただ・・・私が言いたいのは、戦争は誰も「国民」が起こしたものではなく、「愛国心」「国益」「防衛」「天皇制」や一部の資産家が、自分たちの利益を「国益」と呼び、それを得るために「国民」を先導して戦場に送り、殺し合いをさせただけ・・・
決して敵国の兵士も個人としては、お互いに殺しあうより「仲良く」したいと願っている。
そういう気持ちを、もう一度日本人に思い出してほしいと思う。
(資)文化財復元センター おおくま