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「日輪の遺産」NETFLIXと「天皇の金塊」高橋五郎 著

この映画、見るのが3度目である。

終戦間際に、軍が戦後の「日本復興のための資金」を、ある国内の防空壕に埋め、その作業にかかわったまだ子供と言える女子学生が、事の重大さを知り、自分たちで自決したと言う、ストーリーなのだが、最初に見た時・・・

オイオイオイ・・・と思った。

いくらなんでも、軍が秘密保持のために彼女たちを殺すことは有っても、それを免れたにもかかわらず「自決」することはありえない・・・

現実離れしたストーリーだと思った。

にもかかわらず、理由はもう忘れたが、どういうわけか何かを確かめたいと思い、2度目に見た時も、やはり当時の思想教育が有ったとしても、特攻隊員ならまだ知らず、12~13歳の女の子が、自ら集団自決することはありえないと、やはり単なる物語感はぬぐえなかった。

ただ、もう一つ意味が解らなかったのは、最初にマッカーサーが敗戦処理で日本に降り立った時、日系の通訳に「私の財産」「父の遺産はどこだ」とつぶやく。

ナンノコッチャ??

なんでマッカーサーがそんなこと言うの??

そして、最後に日本軍が埋めた金塊を探しだしたが、自決した少女たちの遺骨を見て、そのまま入口に蓋をした・・・・

しかもこの作業に携わった一人の軍人と一人だけ生き残った少女が、この金塊の事をずっと秘密にして守り通してきた。

なぁ・・・ん・ちゃって・・・・
さらにオイオイオイと言いたくなるような思いがした。

なのに、3度目にまた見ようと思ったのは、昨日から「天皇の金塊」と言う本を読み始めたから。

昔、山下財宝ッうんか・・・
日本軍が南方に莫大な財宝を埋めたとか??
そんな夢物語を聞いたことがある。

どうもこの本によると、それは実話だと言う・・・
しかもその金額が並みじゃない・・・・

そんな話が出てくるのだが、まだ読み始めたばかりで1/3くらいしか読めていない。
その最初の部分に、実はフィリピンのジャングルに、日本軍が戦争で「略奪」した金やダイヤモンドなどを、175か所に分けて埋めた。
それぞれの洞窟には責任者が居たが、それらすべての責任者を最後に一か所に集め、その洞窟の入り口を爆破して全員を口封じのために生き埋めにして殺した・・・

まさに、ハリウッド映画張りのストーリーだが、それを日本軍がしたのだが、その最後の洞窟から3人の男が這い出してその場を去った・・・
大当たりしそうな話展開だか、実はその場を去った3人のうちの二人が日本人で、一人は現地人だったと言う。

この話が戦後50年してから本になったらしいが、それを漏らしたのが現地人の男なのだが・・・・

実は残りの二人の日本人の正体も解っているらしい・・・・

その二人とは、実は噂の「山下大将」、そしてもう一人は公家だと言う。
本にははっきりと「竹田宮恒徳」と書かれている。
つまり今話題の二人は、息子と孫にあたる。
そりゃ交通事故で一人殺したくらいで、罪を問われるような庶民じゃない・・・・

一方、マッカーサーの件だが、何やら父親も軍人でフィリピンで司令官だったらしい。
そして父親はフィリピンで製錬所を持っていたらしい・・・・

つまりマッカーサーはフィリピンに日本軍が埋めた金塊の話を知っていたらしい。
たぶん父親はその金塊の精錬に関わっていたのだろう・・・

だからこの映画で、父親の遺産が日本にあるはずだと言ったらしい・・・

日輪の遺産」は1993年の浅田次郎の小説だと言う。

一方「天皇の金塊」は2008年の高橋五郎の作だが、小説じゃない・・・・
彼の義父のベラスコと言うスペイン人のスパイで、当時日本のスパイもしていたらしい・・・
その人の話しや他の資料がベースになっているらしい。

また少ししか読んでいないが、ナカミはちょっと常識では考えられない・・・
いゃ「歴史は勝者により作られる」と言うから、我々が知らないだけで、ここに書かれていることが真実かもしれない・・・

で、何故この二つを並べたか??

それはこの小説も全くの作り話ではなく、実際に日本軍の財宝が多くアジアに埋められていて、その一部が潜水艦などに日本国内にも持ち帰られているらしい・・・
実際にGHQによってその一部が発見され押収された記録があると言う。

そしてこの映画は2011年に作られているらしく、明らかに「天皇の金塊」の影響も受けているように思う。

私が金塊を隠す作業にかかわった20人の少女が、最後は集団自決するというストーリーは嘘っぽいと感じたのだが・・・
どうやらこれは伏線があるように思う。

つまりフィリピンで生き埋めにされた175名の人たちの事を、彼女たちに重ねているようだが、しかしこの金塊、実は「日本軍」が略奪したものではなく、最終的に「天皇のふところ」に収まるものだったらしく、その実話をリアルに映画にすれば、当然非難は免れないから、わざとらしくストーリーの中に「無理に展開」として、あえて「少女たち20人と教師」に置き換えたのではないだろうか?

で、映画を見ていてもう一つ現実離れをしていたのが、木箱に金塊を詰めたものをトラックから降ろし、防空壕へ少女4人で運ぶ・・・
その箱の大きさからみて、金塊だとするととても少女4人で運べる代物じゃない・・・

あえてそういう「リアリティに欠ける」場面を作りながら、この話は作り話じゃないと、逆に訴えているような気がした。

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