以前にYouTubeで「武士の献立」と言う映画を見た。
料理侍の家系に、嫁いだ、亭主より料理が上手い女房の話である。
こちらの映画は、こんどはそろばん侍とでもいうべき家系に残された、その家系の家系簿、いゃ「家計簿」を元に作られたもので、その家系も家計簿も実在するものらしい・・・・
人には向き不向きがあり、得手不得手がある。
私のように、ものを創るのが得意で、人付き合いが苦手で、生真面目な職人タイプの人間も居れば、金の計算が得意で、人付き合いが得意で、営業や商人向きのものもいる。
武士にも剣術が得意なものも居れば、この物語の主人公のように算術や算盤が得意な者もいる。
そうそう、料理侍もいたっけ・・・・
この主人公も算盤や算術が得意なのだが、生真面目で正直者だから、不正に目をつぶれない。
そう言うところは、私も似ている。
その家の借金がかさみ、解決するために家財を売り、生活も倹約する中、息子が4歳になると、算盤をはじめ、論語などの読み書きを叩きこみ、その家の生活費のやりくりをさせ、家系簿をつけさせる。
まさにそんな家系に生まれたものに対する、英才教育であり、その息子は大きくなってからもそんな生活に反感を抱くが、明治になり、世の中が変わった時、その息子はその計算能力を新政府に買われ、大きく出世する。
2000年のアメリカ映画である。
この映画の話は、確かに当時聞いた覚えがあり、見てみたいと思った。
フランスの小さなある村に、赤いマントを着た母親と娘の親子がたどり着く。
その村で「ショコラ」の店を開くのだが、実はその村の村長でもある伯爵が、とても堅物で、村人に影響を与え、その親子を追い出そうとしたり、たどり着いたジプシーたちも追い払おうとする。
ところがその母親の創る「ショコラ」は不思議な魔力を持ち、村の人々を惹きつけ、そして幸せにしていく。
世の中、「正義感」をもち「自分は正しい」と思い違いをしている人々がほとんどなのだが・・・・
この映画、戦場カメラマン「一ノ瀬泰造」を主人公にしたものである。
最近テレビで「戦場カメラマン」とか名乗る、首からカメラをぶら下げた「もどき」のタレントが居る。
彼を見ていると、無性に腹立たしく思う。
なぜあんな奴がテレビでもてはやされるか??
要は「らしからぬ・・・・」から、テレビ局は面白がって彼を使う。
しかし、本当の戦争カメラマンは、彼のような性格では間違いなく生き残っていない。
「死」と隣り合わせで、あんな性格ではまともな写真などとれない・・・・
この一ノ瀬泰造も若くして、カンボジアやベトナムで「フリーカメラマン」として、命がけで写真を撮り、最後に「地雷を踏めばサヨマラ」と言う言葉を残し、アンコールワットをめざし、消息を絶った。
このタイトル・・・・・
普通だったら、誰か強力な統制力をも人間を指すものだが、このストーリーでは「1本の樹」を指している。
実在するモノとは思えないが、何やらその1本から毒性の強い物質が周辺の土に流れ、周りのすべての樹が死滅する・・・・
主人公は刑事なのだが、事件の失敗で罷免されたようだが、なぜかそんな男が森の中で、この1本の木をめぐり、その樹を活かそうとするもの、その樹を取り去り、周りの生態系を元に戻そうとするもの、あるいは植林の関係者、その樹を売って金を得ようとするもの・・・・
四つどもえの争奪戦の中で、彼はどちらの意見が正しいかと最初は悩むが・・・・・
結局、結果は出ない・・・・
いゃ、どれも正しくないし、間違ってもいない。
ただ「違うだけ・・・・」と言う結論にたどりつくのだが、それぞれの立場の人間も、結局は自分のことしか考えていない・・・・
ただ、この映画の意味するものは、多分・・・・
ほとんどの人には「理解不能」な気がする。
この映画、1948年制作のバレエ映画である。
つまり60年近く前の映画であるが、私はこの映画には興味が有った。
私は若いころに、「舞台写真」をライフワークとしていた時期がある。
舞台と言っても、演劇ではなく「踊り」なのであるが、私の別れた女房も趣味で長くフラメンコを踊って居たし、知り合ったのもバリ舞踊の発表会だった。
当時、アングラ舞踏から始まり、朝鮮舞踊や、能、バリダンス、インド舞踊、フラメンコなどの民族舞踊を特に撮っていたが、バレエは一度だけ行きつけの居酒屋で知り合ったバレエ教室の先生の発表会を撮ったことがある。
ただ、民族舞踊とバレエは随分違う。
民族舞踊は、どちらかと言うと「地を踏む」と言うものが多く、バレエは爪先立ちで、飛び上がる感じのもの・・・・
どちらかと言うと、もともとアングラ舞踏から入っているから、民族舞踊の方が絵になりやすい。
実は若いころに「宝塚歌劇」のグラフを出している会社の、カメラマン募集に応募して、歌劇の練習を撮ったこともある。
そんな経験もあり、舞台写真には興味があるのだが、実は私がこの映画に興味が有ったのは、もう20年ほど前の話だと思うが、この映画は「モノクロ映画→カラー映画化」されたと聞いていた。