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「こわれかけたこの星に今してあげられること」エハン・デラヴィ著 その2
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003
この対談相手のサティシュ・クマール氏は、熱心なジャイナ教徒の母に育てられた。
その母は文字が読めないし学問もない。
 
にもかかわらず、とても意識の高い人だったらしく、彼は4歳にしてすでに「巡礼」の意味を教えられたらしい。
彼は8歳でジャイナ教の僧になるのだが、母親についてこんな話を語った。
 
母親は手作りで素晴らしいものを作る。
ある時手作りの素晴らしいショールを姉に送った。
 
姉は喜んだが、着けて汚すものがもったいないので壁に飾ろうと言うと、母は貴女が着るために作ったのよ、飾るためじゃない、他人に見せびらかすためでもないと言う。
 
姉は母親が手作りするのに時間がもったいないから、ミシンを買おうと言う。
すると母は

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「あなたは無限なものを節約して、限りあるものを費やそうとしているのよ。
ミシンは金属でつくられていて、世界には限られた量の金属しかないわ。
それに、金属を得るためには掘り出さなければならない。
機械を作るためには工場が必要で、工場を作るためには、もっと多くの有限な材料が必要なのよ。
 
掘るということは暴力だし、工場も暴力に満ちているわ!
どれだけ多くの生物が殺され、金属を掘るため地下深く潜るような仕事でどれだけ多くの人が苦しまなければならないでしょう!
 
彼らの苦しみの話を聞いたことがあるわ。
なぜ自分の便利さのために、彼らを苦しめなければならないの」
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こんな母親に育てられ、、そして若くしてジャイナ教の僧になるのだが、ある時「ガンジー」の伝記と出会う。
ジャイナ教の僧は、教えを書かれた書物以外は一切読めないらしい。
 
しかし彼はトイレでそれを読み、その寺を出た。
 
別の師に着くのだが、若くして友人と二人で、反原爆のために、歩いて世界に巡礼に出た。
 
インドの隣はパキスタンであり、敵国である。
その国境まで多くの友が見送りに来た。
友は敵国に入るのをやめろと言い、また食料を渡そうとした。
彼はあくまでも師の教えに従い、金を持たない巡礼をめざし、食料を断り、パキスタンの国境を越えた。
 
すると数分後には、彼らのことをニュースで知ったパキスタン人が、彼らを迎えに来ていて、家に招待してくれた。
そのパキスタン人は、戦争は間違っているとはっきり言う。
 
彼は巡礼で学んだこととして
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常に進みます。
お金は一切持たず、托鉢をしながら、裸足で進むのです。
食料を分けて貰えば感謝します。
 
食料を分けて貰えなくても感謝します。
感謝の気持ちが巡礼の基本です。
 
巡礼の道は感謝の道、ただ存在することに感謝をします。
 
食べ物を分け与えてもらえなくても、そのような状態で平静を保つことを教えてくれた人に感謝します。
 
いかなる苦境もどうすれば分別を失ったり、憤慨したり、動揺したりしないか、どうすれば思いやりを持つことができるかを学ぶチャンスとなります。
 
忍耐や平常心を教えてくれる、教師となるのです。
 
だから、どんな悲劇的な状況でも感謝します。
これがジャイナ教の巡礼者の態度です。
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そこの仏門に入っているあなたは、いかがですか?
 
こんな話がいくつも出てくる。
 
あなたに学ぶ気があれば、腹いっぱいの「糧」となる・・・
 
(資)文化財復元センター  おおくま

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