研修生 曰く・・・・
先日土曜日に、就職試験を終えた私は、精華町という行ったことのない場所にある「文化財復元センター」へ赴きました。
いきさつは先だって大隈先生が投稿した記事に同じです。「文化財とは、先人の精神の営み、その中身にこそ価値がある」とおっしゃる大隈先生のお考えには、私が普段あーでもない、こーでもない、と理屈っぽい頭で考えていることに近いように感じました。
私がまだ子供のころ、高校生くらいのことです。染織家になりたいと思っていました。着物がとても好きだったからです。
それを手掛ける職人さんの思いを知れば知るほど、織り込まれた一目一目に魂が込められているような気がしたのです。
私は美しい美術品、工芸品、古き良きものの、一体何に魅かれているのだろうか。
大隈先生とお話しして、その問答がひと段落したように思いました。
つまり、そこに込められた魂のようなもの、人が生きてゆくうちに行われた精神の営みが、私を引き付けるのだ、と。
大隈先生はまるで禅問答のように、相手に答えを徹底的に考えさせます。
私はいつも考えていることを、もう一度よく考えることになりました。
わかっていたつもりだったのに、わかっていなかった・・
それは「つもり」でしかなかったのです。
常々頭でごちゃごちゃ屁理屈をこねる癖を何とかしたいと思っていた私は、一晩悩んだ末、GW期間中大隈先生の下で研修を受けることにしました。
徒弟制度の重要性を説く大隈先生のお考えは、屁理屈ばかりで実が伴わない私の根性を鍛えなおすには最適だと思い、しばらく頑張ってみようと思います。
もちろん、「これからずっと頑張ります!!」と自信を持って言いたいところですが、それを先に言っては、まさしく実が伴っておりません。
毎日頑張って、それを積み重ねて、初めて「ずっと頑張ります!」と自信を持って言いたいです。
技術を習得するのはもちろんですが、まず第一に人間を育てたいです。
永田千佳