2007年10月
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えがお写真
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最近のデジタル技術は凄い。
凄いと言うより、ちょっと行き過ぎていると私は感じる。
ちょっと前はデジカメを構えると「顔」を認識して、それを綺麗に撮るための「露出」を与えると言う。
にゃるほど・・・
ずいぶん昔話になってしまったが、「バカチョンカメラ」という言葉が世間を賑わせていた。
しかし「差別用語だ!!」と決め付けるヒトが出ると、触らぬ神に祟りなしとばかり、世の中からその言葉が消えた。
まさに「言葉狩り」だと思うが、私は当時パソコン通信の写真フォーラムのサブシスをしていて、その騒動を何度も目にしたが、当時も今も、私は「バカでも、チョンとシャッターを押せば写るカメラ」だと理解している。
言葉は消えたが、その精神は脈々と受け継がれていたと見えて、「顔」をカメラが認識する?と、まるで魔法のようなことが実現したかと思うと、今度は「笑顔」を認識して、カメラがシャッターを切るという。
まさに至れり尽くせりの様だが・・・・ちょっと待てぇ??と言いたくなる。
これは本当に喜んでいいことだろうか?


まず「顔」をカメラが認識し、露出を決める。
確かに「露出」は素人には難しい問題であり、これが解決し、ピントも自動となり、多くのプロカメラマンは職を失った。
もともと「適正露出」と呼ばれる物には、一つの基準があった。
コダックのグレーチャートと呼ばれる「反射率18%」のグレーの明るさに、撮るための露出を与えることを「適正」としてきた。
良く勘違いされるが、「ヒトの肌」にカメラの露出を合わせれば、ポートレートは綺麗に撮れると思われがちだが、もともとカメラの露出は先ほどのグレーチャートを基準としていたので、ヒトの肌は実際より暗くなってしまう。
ところが最近、カメラが「顔」に認識するようになり、そのグレー基準じゃない露出をはじき出すようになった。
しかし、例え顔と言えども、ヒトの数だけ肌色は存在し、ましてその周りの「状況」も違うはず。
その上、人種によって肌色も肌の明るさも違う。
果たしてどこまでそれを読みきれるのだろうか?
そして、もっとひどいのが「笑顔」の認識である。
当然笑顔とはどういうものか?を分析した上で作られた機能だろうとは思うが、これが進むと笑顔ばかりの写真しか世の中に存在しなくならないだろうか?
昔々、写真の創世記は、肌が黒く写ったので「修正」せざるを得なかった。
しかも写真は高等技術であり、高価であった為、お客を特に喜ばせる必要もあり「実物より綺麗」に修正された。
だから一昔前のヒトにとって、「写真とは実物より綺麗に写るもの」という認識があったし、昔の写真は「美男・美女」ばかりとも言える。
同じようなことが今後起きないだろうか?
数十年後、アルバムを開くと、どの写真も「ニッコリ」
本来写真とは記録としての要素が強く、ヒトには「喜怒哀楽」があり「らしさ」というものがある。
それが写って初めて「いい写真」だと私は思う。
人柄が感じられるような写真であり、猫も杓子も「にっこり」ばかりでは、その人らしさなどなくなってしまう。

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これまでのコメント

  1. Jane :

    面白い!
    思わず吹き出してしまいました。
    まさにその通りです、全部「笑顔」の写真になってしまったら、かえって面白くないですね。
                   
    Jane

  2. hjxy :

    中国ではまだそこまで行っていないの??

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